15年以上音信不通だった父から青汁が届いた。
破天荒なお父さんだったのだが、一体何が…?
ベテラン漫画家、沖田×華さんが描く、コミカルで超重い、ハートフルエッセイです。
注意:あらすじ、ネタバレをすべて沖田さんの視線で書いていますが、私は沖田さんではありません(当たり前)。
また、私の解釈が所々に挟まっている可能性があります。
ご了承ください。
それではどうぞ。
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父よ、あなたは…【第1話】のあらすじ
私がお世話になっているK出版社に父から小包が届いた。
唐突のことに驚いた。
「めずらしいですねお父さんとは長らく会っていないんですよね?」
担当のIさんにそう聞かれて、私は
「はい…15年以上音信不通です 何か怖いなー」
と、歯切れ悪く答えた。
戸惑いながらも小包を開けてみると、中にはサンプル商品の青汁が入っていた。
益々訳が分からなくなり、混乱している私にIさんは
「きっと娘の健康を気づかっているんでしょう」
と、いまいち納得のいかない答えを出してきた。
そんなものなのか、いやでもお父さんからモノもらったことなんて、一度もないのに、なんで今更…?
そんな出口のない迷路のような思考をぐるぐると繰り返しながら、家へと帰宅した。
結局その小包の青汁は、なんだか得体の知れないようなものに思えてならないので、飲まずに部屋に片してしまうのでした。
しかしこれ以降、なんだか父のことがぼんやりと考えるようになったのです。
父よ、あなたは…【第1話】のネタバレ
富山に着く前、魚津を通過する窓際の席から、一瞬だが元中華料理店の実家がよくみえる。
母と離婚後の父は実姉と2人暮らしだと聞いた。
その時に、ちらと見える生活の痕跡が、亡霊のように私の後ろに立って父のことをささやき続けるのだ。
私に連絡を取りたがっているというのはわかるのだが、父のしつこすぎる性格を考えると、行動に移すのは二の足を踏んでしまう。
そんなことをあまり深くは考えず、ぼうっと考える日々が続いた。
父が死んだのを知ったのは、2017年の11月18日土曜日16時だった。
極度の寂しがり屋で、昼夜問わず電話をかけてくる父が携帯の電源を切っていることに、違和感を覚えた母が電話をかけてきたのが、父の死を知るきっかけだった。
私は、つい最近父から小包が送られてきたばかりだったので、杞憂だと思ったが、母があまりに心配するので、父の実家にかけてみた。
おばが電話に出たので、父は何をしているのか聞いてみると、何の気もなさそうに
「死んどるわ」
と答えた。
言葉に詰まる私に、言い方が悪かったと思ったのかおばは
「えーっとねぇ今も死んどる」
と付け加えた。
私はこの時やっと、彼女の言葉を理解し、理解したからこそ衝撃を受けた。
「ななっ何でー!?」
「…さあ?」
「えー!?」
彼女は認知症なので私の言うことがあまりわからない。
119番通報も理解してもらえなかった。
慌てて母にかけなおし、父が死んだことを伝えると、母は素っ頓狂な声を上げて驚いていた。
母が確認しに行くと言ったので、私はその連絡を待つばかりとなった。
この時私は憑りつかれたように散らかった部屋の片隅を掻き分けた。
そこにあったのは、父が送ってきたサンプル商品の青汁。
母からの連絡で、本当に家の中で亡くなっていることが判明した。
「死んだら救急車って乗せてくれんからこれから警察が入って調べるんやって!」
その言葉が現実のものと受け止めるには、あまりに衝撃的過ぎて、私は思わず手元の小包に視線を落とした。
この小包が父の形見となってしまった。
「…ウソやろ…?」
そんな言葉が誰に届くこともなく、薄暗い部屋に溶けていった。
以上です。
父よ、あなたは…【第1話】の感想
いかがだったでしょうか。
父の形見がサンプルの青汁だなんて考えたくもないですね…
しかも父は姉が認知症だったので、周りに知られることもなく、孤独死をしてしまったようです。
そんな悲惨な最期を遂げてしまった父の最後のプレゼントが、青汁だったというのはなんだか考えさせられますね。
沖田さんの父の性格、置かれている現状、その他もろもろがここから読み取れる気がします。
沖田さんが父の性格を嫌って連絡を取らなかったのもつらいですよね。
後になって、なんで私はあの時に連絡を取ってあげられなかったんだって、後悔してしまうやつだと思います。
第一話から超重い話で始まりましたが、絵柄が丸っこくて可愛く、視覚情報として受け取る分にはなんも問題なかったですね。
でもこうやって、登場人物が当時何を考えていたのかだとか、この後どう考えるのだろうとか考えると、胃のあたりを強く押されるような感覚がします。
この後にどういう展開が待っているのかはわかりませんが、もし今後同じような状況になった時に、後悔のない選択をできるように、この漫画で学ぼうかなと思います。
いや、さすがに青汁は渡されないかな…(笑)
それでは、ここまでご覧いただきありがとうございます。
次回の記事でお会いしましょう。
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