父よ、あなたは…【第2話】検視の光景のネタバレ・感想!

15年以上音信不通だった父から青汁が届いた。

破天荒なお父さんだったのだが、一体何が…?

ベテラン漫画家、沖田×華さんが描く、コミカルで超重い、ハートフルエッセイです。

 

注意:あらすじ、ネタバレをすべて沖田さんの視線で書いていますが、私は沖田さんではありません(当たり前)。

また、私の解釈が所々に挟まっている可能性があります。

ご了承ください。

それではどうぞ。

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父よ、あなたは…【第2話】のあらすじ

父の死亡確認を電話で聞いて、すぐに母と弟ブタローが魚津の実家に向かった。

ブタローは小学生で不登校児になってから両親が離婚するまで実家に引きこもりをしていた。

母と金沢に住むようになってからは精神障碍者手帳を取得し。グループホームに入って生活していた。

しかし、そこで一度も友達が出来ず結局そこを離れ、唯一繋がりがあるのが母と父だった。

父と唯一定期的にあっていた彼はある日、父から怪しい電話がかかってきたのだったが…

父よ、あなたは…【第2話】のネタバレ

11月16日午前10時。

私が買ってやった金沢のマンションで、ブタローは爆睡していた。

そんなとき彼は、父からの電話で起こされる。

夕方に電話をかけてくる父がこの時間に電話をかけてきたことに違和感を覚えながらも、いつものように電話に出た。

父の声はか細く、何度も聞きなおさなければ聞こえないほどだった。

今すぐ車で来てほしいと、息も絶え絶えで話す父。

これにブタローは免許を持っていないから無理だという頓珍漢な回答をしてしまう。

しんどいなら救急車読んだら?と無責任なことを言うブタローだったが、父からの返事はなかった。

ずっと呻いていた父が急に何にもしゃべらなくなったらしい。

まだつながっているのにと思ってブタローだったが、寝落ちしたのだろうと決めつけて、電話を切ってしまったらしい。

母に言おうと思っていたそうだが、夜勤で忙しい彼女に言うのは後になったようだ。

この話を聞いて母は、父がいつ死んだのかという疑問を持ったのだった。

 

17時30分に魚津に着いた二人は、家の前にパトカーが止まっているのに気が付いた。

家に入ると、警察の人が現れてどたどたと二階から降りてきて、形式だけの励ましを送ってくると、検視をしないといけないと伝えてきた。

自宅での不審死だから事件性やその他もろもろを調べないといけないらしい。

検視は刑事手続きだから、必ずしないといけないが、規則として家族の立ち合いがいるという。

母は言われるまま、警察について2階へ上がっていく。

部屋前の廊下でなんとも言えない臭いを感じる。

部屋に入り、父を見る。

衝撃。

吐き気。

部屋から逃げるように、廊下へ飛び出す。

母はそれをお父さんとは思えなかったようだった。

酷い臭いがして、立ち会うことが出来ないと聞いた私は、そんなにひどい状態なのかと驚いてしまった。

マサ(長弟)に来てもらい、母たちはいったん帰ると聞いたとき、その想像を絶する惨状を意識せずにはいられなかった。

「お母さんなんだって?」

私の同棲中の彼氏で、漫画の師匠である桜壱さんがおずおずと聞いてきた。

「なんか…親父腐っとるみたい…」

そうありのまま伝えると、大層驚いて

「今日急に亡くなったんじゃないの!?」

と聞いてきた。

私にもどうなのか全く分からなかったので

「それを今から調べるって…」

と答えるしかなかった。

18時30分、長弟のマサが現地に到着して、やっと検視が始まった。

父はリビングだった部屋を自分の寝室に指定て、もともとうつぶせで寝る人で、そのままの状態で発見されたそうだ。

その体温計を父のお尻にぶっ刺したりする検視は、マサにとって一生忘れられない光景となった。

今回の話はここまで。

父よ、あなたは…【第2話】の感想

いかがだったでしょうか。

果たして、いつ父が死んだのか。

ここがなんだか孤独死の壮絶さと切なさを感じますね。

普通死が発覚するのなんて、時間が必要な物じゃないじゃないですか。

そう考える私たち読者からすれば、孤独死と言うのがただ一人で死ぬという意味だけでなく、見つけてもらうまでずっと孤独なのだという事実が盲点になるわけです。

その孤独死のリアルというのがこの第2話ではありありと書かれていると感じましたね。

あと、検視自体存在は知っていても、リアルで見たことがある人ってそう相違ないと思うんですよ。

しかも殺人事件とか飛び降り自殺とか、そんなやばい事件にしか出てこないものだっていう認識がありました。

そんな普段関わることのない検視というものが、孤独死にはつきものであるという事実。

けっこう心に来るものがありますね。

立ちあったマサさんも一生忘れられない光景となったと言って今したが、体温計をおもむろにお尻に突っ込むのは、そりゃ忘れられないだろうと妙に納得してしまいました。

たぶんそれ以上に漫画では表現できないような、やばいことも色々やったのでしょう。

それが、自分の身内で、今もどこかで元気にやっているだろうと思っている人が対象ですから、きついはずです。

これを読んでいる読者の皆様の中に、連絡をとれるけど取っていない人はいませんか?

まだ間に合うので、出来るだけ連絡を取るようにしましょう。

孤独死とは死んだ後も孤独である、永遠の苦しみにも似た死に方なのだから。

 

それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました。

次回の記事でお会いしましょう。

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