声なきものの唄~瀬戸内の女郎小屋~【34話】のネタバレ・感想!真苗「あの女、海外に売っ払っちまおう」

漫画「声なきものの唄~瀬戸内の女郎小屋~」は安武わたる先生の作品です。

明治後期、瀬戸内海の伊之島で生まれ育った活発な少女・チヌ。
母はなく、父親と、美しい姉・サヨリとともに暮らしていた。

ある時、父が死に、姉妹は人買いの競りにかけられる。

サヨリは高値で女衒に売られ、チヌは下層遊郭の「須賀屋」へ売られた。
生きていればいつか姉に会えると希望を持つチヌだったが……。

見世がつぶれ、チヌは大店『東陽楼』で『千鳥太夫』として働くことになる。
大地主・若水に気に入られ、妓達の嫉妬を買いいじめに遭うも、次第にそのひたむきさを受け入れられていく。

 

真苗によって暴露された若水の駆け落ち騒動。

何者かに仕組まれたウルシかぶれにより、療養のため休業を決行した東陽楼。
更に真苗は、若水と東陽楼の信用を失墜させようと画策するも、彼らの信用は盤石で尽く失敗に終わる。
表舞台に立てないコンプレックスと、若水への対抗心で醜く歪んでいく真苗の精神…

ウルシかぶれが引いたチヌは、若水の力になりたい一心で西海楼を訪れる。
若水の駆け落ち騒動について教えてほしいと言うチヌに、真苗は「情報の対価」として襲い掛かるのだった――

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声なきものの唄~瀬戸内の女郎小屋~【34話】のあらすじ・ネタバレ・感想

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声なきものの唄~瀬戸内の女郎小屋~【34話】のあらすじ・ネタバレを紹介しますのでご注意ください!

声なきものの唄~瀬戸内の女郎小屋~【34話】のあらすじ

西海楼の別館にて、チヌは真苗に手籠めにされていた。

吉祥「いい加減におしよマァ坊。いくらがんばったってその娘、よがり声なぞ上げやしないって」

自分に危害を加える相手に気を許すわけがない、気を許せなければ女は悦ばない。
と、見かねて真苗を諭す吉祥。

真苗「“危害”だと?女郎のくせに生意気に」

と、一笑に付す真苗。

 

真苗はチヌを弄んだあと、体の対価に「若水の“伝説”を教えてやる」と言うが、チヌは「話を聞くのは遠慮する」と申し出を断った。

チヌ「そやから――あんさんのやったことは、ただの手籠めや」
真苗「…何?」

女郎と軽んじての行いだろうが、女郎とてイヤなものは折檻覚悟で断ることもある。
まして商売をしに来たわけでなく『東陽楼の千鳥太夫』でない『安藤チヌ』というひとりの女として来た。

チヌ「己より弱ぇもんを力づくで従える、なんちゅうは下の下の人間のすることやわ…!
あんたさんはただの汚ねぇ悪党や――!」

 

スウっと青ざめる真苗。
真苗の形相にただならぬものを覚える一方、チヌの芯の強さに感服する吉祥。

真苗「力づくで従わせる…か。それがどうした?
どうせこの世の人間は、金か力に屈服するものじゃないか。
お吉だって、僕がたっぷり手当をはずむからついてきてる。
…それを。女郎ごときが。僕をののしる?」

 

真苗は、チヌに平謝りし帰そうとする吉祥を突き飛ばして。
吉祥の静止も聞かず、短刀をチヌに突き付けながら「帰っていいよ」と告げた。

真苗「その代わり君が帰ったら、東陽楼の誰かが傷つくかもしれないよ?」

美緒や巴がならず者に顔を切られたり、見世に放火されたりするかもしれない。
それでもよければ

真苗「さぁ、帰ってもいいよ…」

声なきものの唄~瀬戸内の女郎小屋~【34話】のネタバレ

姿を消したチヌを捜して、西海楼を訪問する美緒と栄太。
「確かに吉祥のところに来たが、すぐ帰った」としらばっくれる道正。

チヌは西海楼の離れに監禁されていた…というか、真苗の脅しに屈して帰ることができなかった。
そして、いまは真苗と吉祥の睦み合いを見せつけられていた。

 

真苗「せっかくやし、千鳥にも参加してもらおか」
チヌ「え!?」

3Pを所望する真苗。おぞましさに青ざめるチヌ。

吉祥「よしてよマァ坊!あたしは女相手になぞしたくないからね。
それよりさ、こうしてあの娘に見せつけてやる方が、ずっと面白いじゃないか」

チヌ(お吉さん――庇ってくれはった…?そういや…厠に立った時)

チヌは吉祥に厠へ案内してもらった折、吉祥の胸の内を垣間見た。

チヌ「なしてあんたさんほどの方が、あげな男に味方するんです。あん人のゆうとおり、お金んためなんやろか!?」
吉祥「…むごいこと言うねぇ、そうだったらどんなにラクか…」

――チヌの質問に答える吉祥の表情は、つらそうで哀しげだった。

 

真苗「ククッ」
吉祥「いやだ、何笑ってんのさ」
真苗「ええこと思いついたんや…」

吉祥の体を堪能しながら、邪悪に笑う真苗。
そして、一層おそろしく残酷な提案をする。

真苗「その女、海外に売っ払っちまおう」

 

――チヌ失踪から3日目――

 

若水は後藤田からチヌ失踪を聞かされた。
また、大切な者がいなくなる。魂が千切れるような痛みを味わわなくてはならないのか――?

チヌを巡る状況は刻一刻と変化していた。
黒川組長・久米のもとに届いた船舶の手配依頼。
男衆とともにチヌを捜し続ける美緒。

 

西海楼の女郎の間でも、チヌが離れで軟禁されている事が噂にのぼりはじめた。
彼女たちは東陽楼に敬意を抱いていており、チヌに同情的だった。

道正「何くっちゃべっとるんや!そねぇなヒマあったら客に文でも書かんかいっ」

おしゃべりを聞きつけて女郎部屋に乱入し、女郎を踏みつけ追い立てる道正。

道正「ああ、おんしらほとんど文盲やったな。乳でん尻でんようけ磨いて勤めに備えんかいっ」

 

道正は更に女郎を足蹴にし「余計なこと話したらこんなもんでは済まへんで!?」と怒鳴りつけ去っていく。
襖の近くにいたばかりに標的になった節子をいたわりながら、女郎たちは身を寄せ合うことしかできなかった。

道正「にしてもよォ、もったいねぇ…千鳥太夫を売っ払っちまうとはなぁ。いくら坊の言いつけとはいえ…」

物陰には1人の女郎がおり…道正の独り言を青ざめた顔で聞いていた。

 

――清香陥落――

 

清香「なんや。二枚目やったわりにゃ地味な着物ばかりやな」

清香はチヌの部屋で衣装を物色していた。
大した容姿でもないくせに、自分より格上の憎たらしいチヌ。
そのチヌが遠くへ売り飛ばされると聞いて、清香は舞い上がっていた。

 

清香(うちのお母やんが仕込んだウルシにかぶれたときゃ見ものやったわ。
あねぇに顔腫らして…!うちゃ用心して赤玉(生理)ゆうて風呂にゃ入らんかったけんな)

チヌは遠くへ売られてしまい、彼女の持ち物は置き去りになってしまう。
だったら、もらってやってもいいだろ…と高笑いをする清香。

美緒「清香…!千鳥姐さんの部屋で何しとる!?」

勢いよく開いた襖の先には、険しい顔の美緒がいた。
巴をはじめとした東陽楼の面々と…捕えたおウノを引き連れて。

巴「説明してもらおか?あんたのお仲間のおウノが、西海楼に出入りしとるワケ。
ここんとこずっと栄太が見張っとったんで、おウノに気づいたんや。さぁ!何企んどった!?」

蒼白になり絶句する清香。

 

――西海楼からの脱出――

 

チヌ(ああ。お見世開いたな…)

離れの一角で、見世から流れてくる楽の音を聞くチヌ。

吉祥は仕事に出て、真苗も不在。

脱出するチャンスだが、逃げればみんなに危害が加わるかもしれない。
…でもこのまま売られてしまったら、もう誰にも会えない。若水にも…

 

チヌ(逃げるんや。戻ってからそこで知恵出しゃええ)

チヌは意を決して外へ走り出すも、真苗に見つかってしまう。
道を阻まれ踵を返すも、鳩尾に当て身を食らってしまい――…

遠くから聞こえる華やかな三味線の音。客と女郎達の笑い声。
それをぼんやりと聞きながら、緩やかに崩れ落ちるチヌ――

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声なきものの唄~瀬戸内の女郎小屋~【34話】の感想

東陽楼編は、いよいよ次がクライマックスかな?
マァ坊のサディスティックで傲慢な本性がむき出しになってきましたね。

東陽楼の女郎たちは藤富や巴、若様を『信頼』してついてきてますが、西海楼の女郎たちは道正や真苗の恐怖政治に『服従』してるだけなんですよね。

『信頼』と『服従』の区別がつかない限り、人の上に立つことはできないんじゃ?
マァ坊がそれに気付くことはできるのでしょうか。

チヌは気絶してる間に売られてしまうのでしょうが…
マンガのお約束上、ギリギリのところで助かるんじゃないの~?と予想しています(笑)

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まとめ

以上、「声なきものの唄~瀬戸内の女郎小屋~【34話】」のネタバレを紹介しました。

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