漫画「声なきものの唄~瀬戸内の女郎小屋~」は安武わたる先生の作品です。
明治後期、瀬戸内海の伊之島で生まれ育った活発な少女・チヌ。
母はなく、父親と、美しい姉・サヨリとともに暮らしていた。
ある時、父が死に、姉妹は人買いの競りにかけられる。
サヨリは高値で女衒に売られ、チヌは下層遊郭の「須賀屋」へ売られた。
紆余曲折あって、チヌは大店『東陽楼』で『千鳥太夫』として働くことになる。
大地主・若水に気に入られ、妓達の嫉妬を買いいじめに遭うも、次第にそのひたむきさを受け入れられていく。
若水の駆け落ち騒動について訊こうと西海楼を訪ねたチヌだが、真苗に手籠めにされた上、監禁されてしまう。
さらに恐ろしいことに、真苗はチヌを海外に売り飛ばそうと画策する。
チヌは西海楼を脱走しようとしたが、真苗に見つかり当て身を食らってしまう。
――そして、目を覚したのは小舟の上。海の真ん中だった…
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目次
声なきものの唄~瀬戸内の女郎小屋~【35話】のあらすじ・ネタバレ・感想
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声なきものの唄~瀬戸内の女郎小屋~【35話】のあらすじ・ネタバレを紹介しますのでご注意ください!
声なきものの唄~瀬戸内の女郎小屋~【35話】のあらすじ
チヌは、あまりの息苦しさに目が覚めた。
筵から這い出せばそこは小舟の上で、辺りを見渡すと一面の暗い海。
チヌ(なんやここ!?)
――
東陽楼では、西海楼との内通がバレた清香とおウノが詰問されていた。
番頭に折檻させたいのは山々だが、それを知ったらチヌは悲しむ…
そう考えた巴は、ムスッとして口を閉ざす清香を辛抱強く問い詰めた。
式部「清香!あんた西海楼の回し者やて?東陽楼を潰す気やったんか!」
怒鳴り込んできた式部が、紙幣を清香に投げつける。
式部「前借してきたんや。そねぇな腹黒ぇ妓に金借りてたとは情けねぇ」
怒り心頭の式部の言葉を聞いて、心底おかしそうに高笑いする清香。
清香「お金に色がついとるわけやなし、誰に借りよがええやねぇの」
矢津一とか言ってるが、こんなに金に困った妓がいようとは確かに情けない。
とケタケタ笑う清香。そうかと思うと、今度は散らばった紙幣をせせこましく拾い集める。
清香の奇行に唖然とする一同。
皆の気を反らした清香は、隙をついて玄関へ急いだ。
清香(早う――早う守り神さんとこ行きゃ助けてくれはる…!)
真苗のもとに急ごうと階段を駆け下りる清香だが、足を踏み外して転げ落ちてしまう。
清香に駆け寄り安否を確認するおウノ。
清香は無事で、足を挫いただけだった。
安堵したのも束の間、おウノは楼主・藤富の姿を見て青ざめる。
藤富「医者ァ呼んでやれ。ただし、千鳥ん行方を教えたらや」
穏やかに、有無を言わせぬ物言いで、おウノに語りかける藤富。
藤富「こいは取引や。お互ぇ、なぁんもやましいこたあらんよのう?」
声なきものの唄~瀬戸内の女郎小屋~【35話】のネタバレ
真苗『着替えさせたんか、お吉』
吉祥『だってこの服着たきりだったろう。売り物になるんだし、あたしの着物はなむけにあげようと思ってさ』
――当て身を食らった後のことは、うっすら覚えている。
麻酔でも効いているのか頭が痛い。
「何が何だか分からない」という顔のチヌに、船頭の男は「あんたはこれから大きな船に乗って売られる」と告げる。
岸部では、真苗や吉祥が船上で盛大な宴を楽しんでいた。
こんなに船があれば1隻くらいはぐれても誰も気づかないだろう。と、男は意地悪行く笑った。
チヌ(――そやったら、あの明かりは矢津の?まさか、こいが見納め…?)
――
一方、矢津では…
おウノの自白を得た東陽楼の番頭は、西海楼に乗り込んで楼主・道正を問い詰めた。
道正「おお!どこでん好きに家探ししいや。そん代わり見つからなかったら、どう落とし前つけるんや!?」
もうチヌは海の上、道正は強気だ。
一足遅れて息を切らした巴が、番頭の後ろから顔を出す。
東陽楼のお職・巴の姿に野次馬は色めき立った。
次の瞬間、その場の誰もが目を疑った。
巴「千鳥はうちらの大事な朋輩です。
『白状』はウソかもしれん…けどそいしか手がかりがありまへん。
どうぞうちらに情けをかけてもらいまへんやろか」
――面子の気位が何より大事な、お職の土下座。
その姿に心動かされた西海楼の女郎たちは「確かにいた」「ずっと閉じ込められていた」と口々に叫ぶ。
そこへ、真苗と吉祥が宴から帰ってくる。
西海楼の女郎「そっ、そん人の命令やで!千鳥さん売っ払っちまおうって」
真苗「東陽楼のみなさんもご苦労なことだ、売女の言葉なぞ信じるなんて。ふざけた真似はなさらない方が…」
若水「それは君の方だ。辻堂真苗くん」
さらに若水が登場。
真苗に鉄拳をかまし、普段からは想像もつかない鬼の形相でチヌの行方を尋ねる若水。
そこには辻堂繁の秘書、室伏の姿もあった。
室伏は真苗に「この地から手を引け」と父の伝言を伝えた。
――若水は本気だった。
この数日で真苗のことを調べ上げ、汽車を貸し切ってまで東京まで出向き、真苗の父親に直接掛け合ったのだ。
真苗「あきれたな…!」
若水「どこだと聞いている!!」
吉祥「海の上ですよ、それ以上あたしの男をいたぶらないでくださいましな」
答えたのは吉祥だった。
一時ばかり前に小舟に乗せたから、もう港に着いてる頃だ。
津和部港で、外国船『レダ号』に乗せて、外地へ売り払う手筈だった…
吉祥は真苗の制止を無視して、つらつらとチヌの行方を語った。
それを聞いた若水はもう1発真苗を殴り飛ばして、馬に跨り港へと走り去っていった。
吉祥「ケンカを売るときはね、相手の力をよく見極めて、敵わないと分かったらさっさと逃げるんだよ。そりゃ”恥”じゃない。”兵法”さ」
ボコボコにされて倒れたままの真苗に、吉祥が相変わらず飄々とした顔で語りかける。
――
馬を走らせながら、若水は父との会話を思い出していた。
貴族院議員・辻堂繁に謁見できたのは、父の協力があってのことだった。
母が病に倒れ不自由な身になってからの方が、両親の仲は良好だ。
道楽者の父が、妻の療養のために大磯へ引っ越して、献身的に看ているらしい。
喪いそうになってはじめて、人はそのかけがえのなさに気づくものなのか――
――
宇和部港に着くと、既に後藤田がスタンバイしていた。
数ある船舶からレダ号を見つけようとするも、暗闇の中ではいちいち近付かないと確認できない。
やっとの思いでレダ号を見つけるも、その船は今まさに出航しようとしていた。
レダ号を追う後藤田の船を見送りながら、絶望に青ざめる若水。
???「…か」
振り向くと、そこには驚くべき人物がいた。
チヌ「わ…か、さま…?」
そこには、泳いできたらしきチヌの姿が――
声なきものの唄~瀬戸内の女郎小屋~【35話】の感想
ヒロイン絶体絶命と見せかけて、危ういところで助かるんでしょ?知ってるよ!
…と思いつつも、真苗が「海外に売っちまおう」と言った時の絶望感はハンパなかったです。
今回も吉祥さんが素敵でした。
「善悪どころか、案外損得ですら動いちゃいないからねぇ、世の中ってヤツは。好き嫌いってのが一番つよいもんねぇ」
「気を許せなきゃ悦べやしないのさ、女は」
「ケンカを売るときはね、相手の力をよく見極めて、敵わないと分かったらさっさと逃げるんだよ。そりゃ”恥”じゃない。”兵法”さ」←NEW
なんか吉祥さんのセリフだけで名言集ができそうですね…
まだ読んでない人は是非無料で読んでみてください!
まとめ
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