漫画「めがはーと」は横槍メンゴ先生の作品です。
「私の一番大事なもの、貴方だけにあげる・・・」
寿命が譲渡できるようになった世界で愛する人に、大切な人に、かけがえのない人に私の「命」を譲ります。
愛と命を巡るシリーズ読切作品集です。
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目次
めがはーと【全1巻】のあらすじ・ネタバレ・感想
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めがはーと【全1巻】のあらすじ・ネタバレを紹介しますのでご注意ください!
「めがはーと」エピソード1
この作品の舞台となる国では「寿命の譲渡」というシステムがあります。
それは結婚前の男女がお互いの寿命を知っておくための、何となくの流れではあるものの、なるべく夫婦が同じ寿命で生きられるようにするためとされていました。
大学生の「僕」(21歳)と大学教授として働いているアザミさん(28歳)は恋人同士であり、同棲中でした。
朝から性行為をした後にデートに出かけるという仲の良さで恋愛自体は順調に進んでいるものの「僕」の方には、どうしても年齢差による不安が消えずに悩み続けていたのでした。
そして、その悩みをデート中の観覧車の中で打ち明けます。
僕「僕ね、やっぱり自信ないんだ。大学卒業して結婚したいけど、ずっと今みたいに好きでいられるか分からない・・・」
アザミさん「それなのに寿命押し付けられても重いって?」
その質問に対してはすぐに否定するのですが・・・
アザミさん「そうだよ、見返り目当てだよ。罪悪感でも良いから束縛してたいの。あたしの最期を独り占めしてほしいし、君の最期を独り占めしたいの」
アザミさんからの本心が出てから、またすぐに聞かれます。
アザミさん「どう?幻滅したでしょ!?」
僕「ううん、全然」
その後は大学卒業を待たずに結婚したのですが、後になって「僕」の寿命が本当はあと少しであったことを聞かされたのですが、怒りというよりは、アザミさんの独占欲に対して強く感服してしまっていたのでした・・・。
「めがはーと」エピソード2
この物語の主人公である幸子は通勤電車中に雑誌を読みながら悩んでいました。
幸子「好きになって、ごめんなさい・・・あたしは都合のいい女」
彼女は同じ学校に通っているイケメンの先輩に好意を抱き始めておりましたが、同級生の友人であるユミちゃんもサナちゃんもまた、彼氏を求めていたのでした。
幸子から見て、この2人は自分よりも可愛いうえに女にしか分からないミリ単位のことも知ってしまったのでした。
ある夜、先輩との性行為が終わって全裸のまま幸子はテレビを観ている先輩に話しかけます。
幸子「あたしの寿命あげちゃいました、先輩に・・・」
彼女たちの住む世界では寿命を譲渡することが可能な世界であると同時に女性が好きな男性に対して譲渡することは、いわゆる愛の告白という意味合いも持っていたのでした。
しかし、先輩の方の反応は素っ気なく・・・
先輩「あれ!?もしかして告白・・・だった!?」
軽く流されてしまった幸子は呆然とするしかありませんでした。
幸子「あたしは一体、先輩とどうなりたかったんだろう?」
そして涙を流しながらの自己嫌悪と同時に先輩との決別を誓うのでした。
幸子「もう終わりにしよう・・・あたしがあげた数年で、あの人がいつか何かに気付ければいいや・・・」
しかし、その帰り道の最中で思わぬ展開が起こります。
先輩が事故に巻き込まれて大怪我をして入院したのですが、実は彼の寿命は、もうわずかしか残っていなく、その事故で亡くなるはずだったのでしたが、幸子から寿命を少し譲渡されたことにより一命を取り止めたのでした!
先輩もそのことを知って、お見舞いにきた幸子を泣きながら抱きしめて・・・
先輩「死ぬ時、一緒にいて」
幸子「いいですよ」
そう言い合いながら、今度は幸子の方が泣いてすがってくる先輩を抱きしめるのでした・・・。
「めがはーと」エピソード3
普通の兄・聡、トップアイドルの妹・絵美香による禁断の愛・・・
聡「絵美香は可愛い。きっとアイドルにだってなれるよ」
妹に対して言った言葉がまさか現実のものになってしまおうとは・・・テレビで絵美香が映っていない日を見ない日はありません。
昔はお互いの距離が近く、兄妹同士であるにもかかわらずに、一緒にベッドに入っての性行為も当たり前のように繰り返されていました。
しかも誘ってきたのは妹の方からであるものの、相思相愛ゆえに聡の方も耐えられずに応じており、絵美香の方がアイドルとして成功した現在では、そうしたこともなくなり、お互いの距離が離れていく一方だったのでした。
合コンの席で酔って誘ってきた女性との関係を持つこともあったものの、朝帰りした後の絵美香の反応は冷たく、彼自身も、もう限界に達して、突然の死を迎えてしまいます。
葬儀も終わり、親族も引き上げていった後に一人で立ち尽くす絵美香・・・
絵美香「あなたを一生許さないわ」
聡はベッド上で急に眠るように死んでいったのですが、彼の死はあまりにも唐突すぎて不可解な点もまた多かったのでした。
しかし、謎は一週間後に届いた譲渡センターからの郵便で明らかになります。
「寿命の譲渡」は何も夫婦や恋人同士だけでなく、親子や兄弟などの「肉親同士であれば特例として認められることもある」というものだったのでした。
そしてセンターの職員からは、自分の兄から残り55年分の寿命を預かっており、受け取るか否かの質問をされます。
絵美香「少し考えさせてください」
すぐには答えを出せずにいる絵美香は帰りのバスの中で考え込みながら大量の涙が溢れ出てきます。
絵美香「私は今まで何のために・・・!」
そして、まだ相思相愛として肉体関係も持っていた頃を思い出します。
毎日のように繰り返していた性行為を兄からの「もうやめよう」の一言で終わります。
そして絵美香に対して、呟きます。
聡「どこか遠いところで2人だけで暮らせたら、良いのにな」
その台詞をすっかり鵜呑みにしてしまった絵美香はお金を貯めて「一生2人だけで海外で暮らす」という目標を持って、アイドル活動を始めたものの、頑張れば頑張るほど、心の距離が広がっていく一方であったことにやっと気がついたのでした。
数日後、絵美香が亡くなった後も部屋にそのまま置かれていたソファベッドを調べると、生前の兄が書いていた自分宛の手紙を発見して読み始めます。
兄「絵美香が努力して貯めたお金は自分のために使ってください。幸せになるために使ってください。僕には、それができなかったです。僕の弱さをどうか一生許さないで。絵美香は自分の道を・・・そのために僕の寿命を使ってもらえたら嬉しいです。そしたら僕は絵美香と一緒に生きていけると思うから・・・」
手紙という形で知った兄の本当の気持ちに涙ぐみますが、その後も兄と一緒に生きていく気持ちでアイドル活動を頑張って続けていく絵美香であったのでした。
「めがはーと」スクールゾーン
この物語の主人公・ゆうくんは冷めた中学二年生の少年であり、同級生の友人は一人もおらず、数ある友人はネットで知り合った年上の大人たちばかりでした。
ゆうくん「ロックの歌詞で猫はよく死ぬ。俺はそれを何となくそんなもんだと受け入れる。意味なんてないんだろう」
今日も学校では一日じゅう一人で過ごし、夜はライブハウスの中で他の観客たちと一緒にステージに向かって叫び続けます。
ライブ終了後も年上の友人たちから「早熟」と言われ、それを当たり前のように受け入れて小さな優越感に浸ります。
彼は本当の痛みを知っていて、本物の漫画や音楽を知っている気になっており、学校なんて退屈でしかなかったのでした。
しかし、自分が何者でもないことは自分自身が一番分かっていて、部屋のベッドの上で横になって涙ぐみながら呟きます。
ゆうくん「死にてー」
しかし翌日、自分のアパートの前で猫の死骸を発見して、またもや涙を流します。
ゆうくん「死に惹かれるのは、生きている者の特権だ」
そして彼は、生きている理由など生まれてきたからに他ならないことに気づいたのでした。
「めがはーと」あなたなしでは生きてゆけない
この物語の主人公は、マヤ(姉)とマユ(妹)、双子の姉妹です。
双子ゆえにルックスは瓜二つであるものの、マヤの方はマユの奔放さ加減に悩まされる日々を送っていました。
今日も帰ってくると・・・
マユ「マヤちゃん、おかえり♫」
美容師の彼氏とべったりとくっつき、殆ど自分の彼氏のように扱ってしまっているマユにマヤは本来は怒りたいものの、マユのこうした困った行動は過去に何度もあり、今ではもう怒る気力さえも失ってしまっていたのでした・・・。
マヤ「いいよ、そんな男。あんたにあげる」
そう言いながらも、マヤの方もまた彼氏であるはずの美容師の名前すらも忘れてしまっていたのですが・・・。
ちなみに、マユの方はルックスをはじめとして、姉のマヤと全て同じでなければ気が済まない性格で、ちょうど思春期を迎えた頃には陰毛の生え具合までも強く気にして、見せるようにせがんできたこともありました。
しかし、マヤが東京へと引越し、それぞれ別居した後に再会すると、マユから見てマヤが大きく変わってしまったことにショックを受けてしまいます。
そして自分に対する接し方も以前までよりも冷たくなっていたことに対して、過去のことを必死に謝罪してきます。
しかし、マヤは振り向かずに静かにマユの元から去っていってしまいます。
そう、双子で瓜二つでもマヤにとっては「私がいなきゃダメ」なマユが重荷でしかなく、彼女と似ているという実感さえもなかったのでした・・・。
「めがはーと」エピソード4
最後の物語は女性同士による「寿命の譲渡」の世界の恋愛となります。
「あの頃は楽しかったね、なんでだろうな?」
眼鏡をかけた清楚な椎菜と少し活発な雰囲気の心愛、一見では正反対なタイプのように見える、この二人を導いたのは「漫画」がきっかけでした。
時は二年前に遡ります・・・。
当時はキャバクラ嬢として働いていた心愛は店内でお客であると同時に、取材として来店していた椎名は初めてのキャバクラ来店ということもあり、慣れないお酒で酔ってトイレで吐いているところを心愛に介抱してもらいます。
その時に椎菜が実は漫画家で取材として来店していたことを知って大きく驚く心愛ですが、それがきっかけで自分の仕事場へと招待されます。
入ると、漫画喫茶と見間違うほどのコミック本が多く置かれていることに強い衝撃を受ける心愛でしたが、漫画に接する機会は殆どない彼女が椎菜が描いて出版された作品を読んで涙を流すほどに感動してしまいます。
心愛「漫画ってすごい!っていうか、椎菜さんが凄い!天才です!!」
そしての心愛の想いは漫画や椎菜の作品だけでなく、椎菜自身に対しても一目惚れしてしまい、それがきっかけでキャバクラ出勤の回数を減らしながら、アシスタントを始めるようになりました。
ある日、ふとした話題がきっかけで、恋愛話になるのですが、椎菜が涙ながらに立ち上がり、自分には経験がないことを告げてしまいます。
そう、心愛が尊敬し続けてきた椎菜もまたコンプレックスを持っており、恋愛や性行為の経験がないことが彼女の密かな悩みだったのでした。
それを知った心愛は「そんなこと」と言いながら椎菜に対して、いきなり口づけをかわしてくるのですが、椎菜の方もそれを受け入れて・・・この瞬間から彼女たちは仕事仲間や友人同士の域を越えた恋人同士となったのでした。
恋人同士になってからも、二人の恋愛や漫画制作は順調に進みましたが、だからこそ心愛の方は、その頃はまだ椎菜の異変に気づけずにいたのでした。
眠りから覚めた心愛は、自分が初めて完成させた読切作品を立ちながら凝視している椎菜の姿を目撃しますが、その時はまだ眠っているふりをして、やり過ごすのでした。
数日後に開催されたパーティーの中で心愛の作品が受賞して、椎菜もまた涙を流しながら喜んでくれました。
しかし、この時にも大物の男性漫画家からも心愛の方ばかりが「美人」と褒められていることで椎菜にまたもや異変が起きるものの、またもや気付かずに過ぎてしまいます。
やがて二人はマンションから一軒家に引越して、それぞれの漫画作品を描いていく生活に変わり、自分のデビュー作の感想を見た心愛でしたが、Twitter上では「椎菜の上位互換」という内容の感想を目撃してしまいます。
椎菜から聞かれた時には、咄嗟に違うことを言ってしまう心愛でしたが、それが最初で最後についた嘘となったのでした・・・。
ちなみに彼女たちの住む世界でも「寿命の譲渡」のシステムがある世界であり、テレビCMでも流れているほどでした。
そして、椎菜からプロポーズされます。
椎菜「結婚しない!?」
翌月に入籍した二人は譲渡センターにも行きました。
帰ってきた後も、とびきりのご馳走を作って祝うのですが、その最中に・・・
椎菜「私ね、今日が終わる時に死ぬの。譲渡センターで自分の寿命を全部あなたにあげたの」
さらに、椎菜が今まで隠していた本音も打ち明けられます。
椎菜「ずっと、あなたが憎かった。羨ましかった。怖かった。あなたの才能に怯えてた。自分の存在意義が分からなくなった。私には漫画しかないのに、どうして何もかも優れた貴方が漫画まで奪うの!?私はもうこの世界に必要ない、あなたがいるから・・・」
そして・・・
椎菜「どうか私の寿命で死ぬまで漫画を描き続けて!奪ったのだから、最後まで使い果たして・・・これは呪い」
人生で最良と思えた時は椎菜の突然死という形でアッサリと終わってしまいます。
そして、一人となった心愛は彼女のいう通りに、ひたすら漫画を描き続ける日々を送っています。
今ではデビューした時の喜びなどなく、地獄の底にいる気分の心愛でしたが、最愛の椎菜に先立たれて全てを失った自分には、もう漫画しかなかったのでした・・・。
めがはーと【全1巻】のみんなの感想
「寿命の譲渡」と聞くと一見は画期的なシステムのように見えますが、残された者にはやはり悲しみの方が多く残ってしまうんですよね・・・。
男女同士の正当な恋愛だけでなく、兄妹同士や同性同士の恋愛まで取り上げて、譲渡すると、どんな結末が待ち受けているのか・・・
そうしたところまで丁寧に描かれている点も生々しく怖い思いをさせられると同時に、思わず共感してしまうのも、また事実なんですよね。
まだ読んでない人は是非無料で読んでみてください!
まとめ
「めがはーと【全1巻】」のネタバレを紹介しました。
漫画は実際に絵も含めて読んだ方が間違いなく面白いです。
下記のページで漫画を無料で読む方法を紹介しています。
幻想グルメの単行本はFODで配信されていましたので、詳しくサービス内容を次の記事で紹介していますので、合わせてご覧になって見てください。
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