めっちゃコミックで連載中の、「不浄を拭うひと」第19話を読みました。
以下ネタバレとなりますのでご注意ください。
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不浄を拭うひと【第19話】あらすじ
新型コロナが日本にやってきて数か月のこと、正人のまちも自粛モードのままです。
そんな世の中でも特殊清掃の仕事は減らず、いつものように仕事に行っているのですが、4月にはいり正人を見る人たちの目が変わりつつあるのです。
それはきっと、保健所の人だと思われているからなのです。
コロナ陽性の方を、防護服姿の職員が迎えに来るというニュースが流れてから、まれに作業中に話しかけられます。
「この家ってコロナ出たんですか?」
掃除しに来ているだけだと答えると、話しかけてきたのは顔見知りの金田さんだったのです。
挨拶をすると、ちょうど車で買い出しに来ていたところだと話す金田さん。
彼は正人の家のそばにいくつもマンションを持っている大家さんで、金田さんの物件は高齢者の入居者が多く、部屋で亡くなることがたまにあるのです。
ですから特殊清掃や遺品整理に何度か行ったことがあり、正人にとっては珍しい「常連の大家さん」なのです。
不浄を拭うひと【第19話】ネタバレ
正人が家に帰ると、妻の加奈子にそのことを話すと驚かれました。
今日の現場はけっこう遠い場所だったのに、そんなところで会うなんてなかなかないと思っていたようです。
加奈子「そういえば、例のねネコの清掃依頼の人から連絡あったよ」
今回は見送らせてほしいとの内容だったようで、正人は納得しました。
実は先週こんな電話があったのです。
動物が死んだ場所の清掃もできるのかという問い合わせの電話で、亡くなったのはノラネコだったそうです。
依頼主はある会社の社長さんで、会社の倉庫によくノラネコが来ていたそうです。
するとある日、社員の一人がコロナ陽性になってしまいその数日後に会社の倉庫に行ったところ、よく来ていたノラネコが死んでいるのを見つけてしまいました。
ネコの死骸は役所が回収していったそうですが、コロナはネコにもうつるというニュースを見てしまい、もしかしたらと思うと不安になって、正人への問い合わせだったようです。
正人はそういうことだとリスクをともなうから、料金が割り増しになることを伝えたのです。
正人「やっぱり割り増し料金だったからかなあ」
加奈子「こればっかりは仕方ないわよー」
今のところコロナで亡くなった方の部屋の清掃依頼はありませんが、このような相談は今後増えてくるかもしれません。
そしてある日の休日、朝から消防車のサイレンが聞こえました。
近所で火事でもあったのだろうかと窓から覗こうとすると、救急車の音まで聞こえてきました。
音が止まりよく見ると、それは金田さんのところだったのです。
加奈子もどうしたのかと不安そうな表情をしています。
正人「誰か部屋で倒れたのかな」
加奈子「金田さん出てきた!」
ですが金田さんは話しており、担架で運ばれている女性もしっかりと会話が出来ています。
ですが救急車が去った後、コロナだったら・・・と少し怖くなってしまいました。
近所のスーパーでも店員が感染したから・・・と話しているところ、金田さんから電話がありました。
すると、80代の入居者が倒れてしまったという連絡でした。
金田さん「急に動けなくなったって、自分で救急車を呼んだんだって。どうも持病の発作だったもたい」
正人「コロナじゃなかったんですね」
ほっとしたのも束の間。
金田さん「でもさっき病院から電話があって・・・亡くなったんだって」
正人は驚きますが、さっきはしゃべることができていたことを確認します。
ですが金田さんもだからこそ信じられないそうで、落ち込んでいます。
金田さん「富さんって人で、身寄りのないひとり暮らしなんだけど・・・保証人は部屋の物全部処分してくれって」
近いうちに遺品整理を頼みたいと相談されました。
正人も少し落ち込んだ様子で引き受けます。
加奈子「亡くなったの!?朝運ばれたばっかりじゃない!!」
かなり驚き、あいさつするくらいの仲だった富さんですが、思わず涙がこぼれます。
富さんはずっと交通ボランティアを行っており、シャキシャキと動く人だったのです。
加奈子「発作で急に亡くなるなんて・・・暗い話題ばっかでいやんなるね・・・」
金田さんは富さんの部屋の前で、部屋の状態を確かめようとしています。
金田さん「あれ?これは・・・」
何かを考えているようでした。
そしてしばらく経った後、加奈子はそういえば金田さんから依頼がきたのか確認しました。
正人もいつもはすぐに依頼がくるのに、どうしたんだろうと気になります。
別の業者に頼んだのだろうか・・・と思っていると、金田さんからの電話です。
そして呼び出され、金田さんのマンションへと向かいます。
呼ばれて訪れた金田さんの2DKの部屋には、キレイさっぱり何もなくなっていたのです。
金田さんが掃除をしたのかと聞いてみると、本当は正人に頼もうと考えていたのです。
それで富さんの部屋に入ってみると、とてもきれいに使っておりゴミなどはまったくなかったのです、
金田さん「家具も家電もいいものだったし、食料も日用品もたっぷり!だからほかの住民にこう知らせたの」
「もしほしい物があったらどうぞって、お金をかけて処分するよりそっちのほうがいいと思ってさ」
するとみんな毎日出入りをし、ほとんどなくなってしまったそうです。
それは火事場泥棒なのでは・・・と正人も驚いています。
金田さん「でもきっと、富さんも喜んでるとおもう」
正人「えっ」
金田さん「富さんはいつもいろんなボランティアしてたし、うちのマンションって高齢者だけじゃなくて、生活保護とか母子家庭も多くて、けっこう生活が苦しい人が住んでるのね」
その上コロナ騒動で、お金も仕事も切られて夫婦仲が悪くなっている人もいるのだそうです。
それでも家にいなければならない、壊れた家電も直せない、ご飯も買えない。
買い物もいけない、薬も手に入らない、マスクもアルコールもない。
そんな時期だからこそ、「人の助けになれたらうれしい」と言っていた富さんの言葉を思い出し、住人に引き取ってもらうことにしたのです。
金田さん「それで山田君ビール好きでしょ、これまだ置いてあったけど俺飲めないから・・・」
世の中はコロナへの恐怖であふれていますが、一番怖いのは感染した人への差別や偏見ではないかと思います。
正人の仕事も今後は、コロナを視野にいれなければならなくなるかもしれません。
ウイルス感染のリスクも増えていくでしょう。
貰ったビールを開け、富さんへの感謝の気持ちを口に出して頂きます。
助け合う心を忘れず、コロナで苦しむ人たちがこれ以上増えないように・・・一日でも早く終息が訪れるように、と願ってやみません。
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不浄を拭うひと【第19話】感想
今直面している問題がしっかりと含まれている内容でした。
たしかに富さんは、周りの人に必要とされることであれば喜んで暮れていることでしょう。
実際富さんからもらったガーゼで作ったマスクを配っている人のシーンがありました。
そうやってマンション内で助け合うことができるっていいですよね。
そして差別や偏見、こんな時期だからこそなくなってほしいと願います。
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