漫画「金瓶梅」は竹崎真実先生の作品です。
夫を殺して、薬商の資産家、西門慶の第5夫人となった藩金蓮。
旦那様の寵愛を巡って他の夫人たちと、はたまた夫人の座を狙う女たちと熾烈なバトルを繰り広げるドロドロの愛憎ストーリー！
今回も周家に嫁いだ春梅のターンです。
春梅は菊軒から可愛いネズミ・澎々（ぽんぽん）を賜り、大切に飼っていた。
しかし潔癖症の正妻・于英は大の動物嫌い。
于英の手下の3姉妹が春梅の部屋に火をつけて、澎々を焼き殺そうとするが――!?
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目次
金瓶梅 まんがグリム童話【3月号】のあらすじ・ネタバレ・感想
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金瓶梅のあらすじ・ネタバレを紹介しますのでご注意ください！
金瓶梅 まんがグリム童話【3月号】のあらすじ
澎々を助けようと、ごうごうと燃え上がる寝室に急ぐ春梅だが…
その肩を掴む者があった。3姉妹の次女・双葉だった。
双葉「危ないです、行かせるわけには参りません!!」
春梅は「澎々を見殺しにできない」と抗議するも、大柄な双葉の力にはかなわず外へ連れ戻されてしまう。
――その頃、三葉は意気揚々と于英に報告に上がっていた。
春梅の部屋が火事になり、ネズミは焼け死んだであろう、と。
于英「獣が火によって浄化されたわけね、すっきりしたわ。春梅が途方に暮れる様を見に行こうかしら」
報せを聞いて、第1夫人・于英は上機嫌だ。
富葉「火事はお前たちの仕業ね」
三葉「はいそうですわ。双葉姉様が春梅様を連れ出し、その隙に初葉姉様が寝所に火をつけました」
富葉「なるほど。ご苦労様でした」
金瓶梅 まんがグリム童話【3月号】のネタバレ
春梅は顔を覆いさめざめと泣いている…
…ように見えて、冷静に火事の原因を考えていた。
春梅（なぜ火事が起きたのかしら。火の元になる物は何もなかったのに）
双葉の制止を振り切って焼け跡を確認すると、澎々の亡骸は見当たらず、燃えカスになったケージだけがあった。
そして寝台の一部が、油でも撒いたかのように真っ黒になっている…
おかしい、と思ったところに三葉が現れる。
于英からの招集だった。
于英「今回のことは気の毒でしたねぇ。それで、飼っていたネズミはどうなりました？」
春梅「…澎々のことでしたら、どうやら命を落としてしまったようです」
春梅をいたわるどころか、心底嬉しそうに「これに懲りたら2度と獣は飼わないことね」と言う于英。
「澎々は旦那様からの贈り物でした」と言う春梅に、さらにこう続けた。
于英「旦那様は時々しょうもない物を渡していらっしゃるわ。
以前、声がいいと鳥を渡されたのだけど、いらないから――土に埋めさせたわ」
『以前鶯を贈って、いやな思いをさせてしまったことがあって』
周菊軒が言っていたのは、このことだったのか――…
部屋がダメになってしまったので、春梅は別の部屋をあてがわれた。
初葉「大変でございましたね。お茶を」
お茶を運んできた初葉の袖から、油のにおいがした。
3姉妹は意地悪な笑みを浮かべている。
春梅（この人たちなら火事を起こして澎々を殺すくらいやりそうだわ）
周菊軒「春梅!!大丈夫だったか!!」
火事の報せを聞いて、菊軒が駆け付ける。
菊軒は泣きつく春梅を抱きしめ「お前たちがいながら出火とはどういうことだ」と3姉妹を詰った。
菊軒「今回の不始末、お前たちに責任を取ってもらう!!」
3姉妹は自分たちが責められるとは思っておらず、慌てふためくばかりだ。
春梅は、彼女らの醜態にあきれ返った。
それに澎々を殺したのが許せなかった。
春梅「旦那様、3人を責めるのはかわいそうです。召使の不備は私の責任ですわ。それ以上のお叱りはおやめください」
春梅がそう言うなら、と引き下がる菊軒。
3人がホッとしたのも束の間。春梅はこう続けた。
もし私を殺そうとたくらむ者の仕業なら、犯人を捕まえなくてはならない。
その3姉妹にも手伝ってもらうから、犯人捜しを私にやらせてほしい――と。
3人は冷や汗をかきながら承諾するしかなかった。
春梅「そして旦那様。犯人を捕えたあかつきには、その者を火刑に――」
初葉「ひっ!!」
春梅「あら、どうしたの初葉さん。大丈夫よ、必ず見つけるから。そして澎々と同じ目に遭わせてやるわ」
さらに春梅は、初葉の手を取り「油のにおいがするわ」と囁く。
――春梅には、全部バレている。
三葉は母である富葉に相談しようと言うが、初葉はそれを承諾しなかった。
弱みを握られたと知れたら、どんな罰が待ち受けているか――と。
しばらくは春梅に従って、どこかで好機を待つのだ、という初葉。
三葉（初葉姉様が言いだしたことなのに、あたしにまでお鉢が回ってくるなんて――）
――
その夜
功二児に呼び出された春梅は、思いがけぬ再会をする。
澎々は生きていた。
ヒゲはチリチリになってしまったが、巾着の中で元気に鼻をヒクつかせていた。
功二児が言うには、ちょうどエサを持っていくところで、ケージから出ていたから抱いて出ていったらしい。
「大奥様にいじめられちゃうから秘密にしてね。でも旦那様にだけは、私が助けたってちゃんと伝えてね」
と微笑む功二児は、何度もお礼を言う春梅にこう続けた。
功二児「いいのよ。だって、私たち同じ召使ですもの」
――
菊軒「澎々が生きてた!!」
春梅「はい、茂みにいたところを見つけました。無事に逃げ出していたようですわ」
「これで犯人捜しは終わりね」と耳打ちする3姉妹。
それを横目に「解決しないと気持ち悪いから、犯人捜しは続ける」と言う春梅。
春梅「そうだわ。大奥様は動物が苦手だそうだから、澎々が生きてることは秘密にしてね。そのほうがあなた方もいいでしょう？」
3姉妹は、悔しさを噛みしめながらも言いなりになるしかなかった。
――3人がいなくなった隙を見て、春梅は菊軒に真相を明かした。
実は澎々を助けたのは功二児さんで、他のこともたくさん助けてもらって感謝するばかりだ。
どうか旦那様からも彼女をねぎらってほしい――と。
菊軒は、その足で功二児のもとへ向かった。
功二児は飛び跳ねんばかりに喜び、「お脱ぎになって」と寝台に誘う。
功二児「2人目も作りましょうよ。次は絶対に男の子を産んであげるから」
菊軒「いや、今日は春梅に言われてね。お前がどんなに春梅に親切にしてくれたか聞いたんだ」
菊軒は「これからもよろしく」と言うだけで、功二児と枕を交わさずに部屋を去ってしまう。
功二児（春梅さんたら。旦那様に何も言ってくれなかったのかしら）
功二児は、春梅にこう言ってほしかった。
（妄想始め）
――旦那様、功二児さんはずっと私を助けてくれたのです。しかも今回は澎々まで。
私も西門家では『召使』でしたから、彼女の立場はよくわかります。
『召使』だから自分から言い出せないけど、功二児姐さんは旦那様の御子を産んだではありませんか。
でしたら第2夫人である私と同じ待遇にしてもいいと思います。
せめて大奥様の下から自由にしてあげなくては――
（妄想終わり）
春梅だって『召使』だったんだから、このくらい察してくれればいいのに…
功二児（もうひと押ししてみようかな。
今度はネズミじゃないから、もっと同情してくれるはず――）
――
功二児「昨夜ね、旦那様がいらしてくれたの。あなたのことでお礼を言われちゃった」
春梅「そんな。私からも功二児さんにはお礼のしようもありません、もしできることがあればなんなりと」
功二児は、春梅に合わせたい人がいる、と言う。
周家に来てから、まだ紹介されてない人物――功二児の娘だ。
功二児の子、というか当然、菊軒の子。
会いたいような会いたくないような、複雑な気持ちを抱いて承諾する春梅。
功二児（いくら鈍くても、アレを見たら――ねぇ）
娘の住処である建屋は、庭の奥にあった。
その子は于英に取り上げられたと聞いてはいるが――…
建屋の中は暗かった。
『何も見えないように』窓を潰されているからだ。
内装も子供がいるというのに、いやに殺風景だった。
功二児「見て春梅さん、この子が私の娘――美々（めいめい）」
寝台には、虚ろな目をした生気のない幼児が座っていた。
春梅「こんにちは、美々」
――反応がない。
功二児「この子ね、誰も話しかけたりしちゃいけないから。
ずっと話しかけられないまま育ったから、こんなふうになっちゃったの」
唐突に春梅に娘を見せた功二児。
春梅がどう反応しますかは、またの回で――
金瓶梅 まんがグリム童話【3月号】の感想
金蓮とルルの小競り合いに西門家の温泉旅行など、ほのぼの日常（？）が続きましたが…久々にヘビーなお話になりそうです。
美々の虚ろな表情が痛々しいですね。
于英なら「淫らな！汚らわしい!!」だの「欲を持たないよう育てます」だの言って、赤ん坊監禁くらいしても不思議はありませんが…
菊軒はどう思ってるんでしょう？
女性蔑視のきらいがあるから、自分の娘であっても関心がないのかな？
そう思うと、西門伯とルル親娘が微笑ましく見えてしまいます。
そして次回は于英の母親が周家にやってくるそうですが…
干しエイ夫人のお母さんって、どんだけ強烈な人なんでしょう？
次回も楽しみです！
まだ読んでない方は、ぜひご覧になってください！
まとめ
以上、金瓶梅 まんがグリム童話【3月号】のネタバレを紹介しました。
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