めっちゃコミックで連載中の、「不浄を拭うひと」第8話を読みました。
以下ネタバレとなりますのでご注意ください。
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不浄を拭うひと【第8話】あらすじ
山田正人は特殊清掃の仕事をしています。
依頼には基本24時間対応をしているのですが、今日は妻に対応を任せてオフの日にしました。
妻に終わったらメールをすると伝え、出かけた理由は、長井文吉という元先輩に会いに行くことになったからなのです。
長井も今は自分で特殊清掃の会社を経営しています。
挨拶を済ませて入っていったのはもんじゃ焼きのお店でした。
長井「さー、食え食え!ここのもんじゃはおいしいからなー」
正人「本当においしいですねー。やっと食べられて幸せです」
長井が前来たときは食べられなかったなーと話すのですが、その理由は特殊清掃のに使うアイテムの金属のヘラにありました。
主に汚物の除去に使用するのですが、殺虫剤で死にきれなかった大量の虫を細かくするためにも使うのです。
なので新人はヘラをつかうもんじゃ焼きが食べられなくなってしまうとのこと。
ある程度場数を踏んでいけば、看護師がカレーを食べながら排泄物の話をするのと同じで、次第に何も感じなくなります。
長井「まあ、それだけ一人前になったってことだな」
「山田が来たときは依頼が多くて新人一人でテンパってたっけ」
正人「いやー、そのおかげですぐ慣れましたよ」
「でも何年たっても、長井さんの言葉は忘れたことはありません」
不浄を拭うひと【第8話】ネタバレ
話は正人が特殊清掃の仕事を始めたばかりのころになります。
長井さんとペアを組んでいたときの事、現場へ行く途中に虫や腐敗の心配は無いが、部屋の掃除が大変らしいと言われます。
正人はどういう状況なのか聞き返すと、亡くなったのは若い娘さんだったそうで、いろいろあったとのことです。
いままでも何回か睡眠薬を飲んで手首を切って、救急車で運ばれたことがあった方だったそうなのですが、今回は少し違ったのです。
手首を深く切りすぎてしまい、血が止まらずにそのまま失血死をしてしまったそうです。
長井「まあ・・・あれだな。「自殺未遂に失敗した」ってやつだ」
そう言いながら準備を終わらせて現場の部屋に入ると、1DKの部屋は一面血まみれになっており、凄惨さを物語っていました。
正人「これって、殺人現場じゃないんですか・・・?」
長井「これはのたうちまわった後だよ。まあ、死ぬまで相当苦しんだみたいだなー」
なんでケータイで助けを呼ばなかったのか不思議に思っていると、彼女はパニックと薬で意識も朦朧としていてまともに使えなかったのだろうと長井が推測しました。
そして作業を始めていきます。
長井から指示を受けて、正人は床の血を拭きとります。
血液は固まると取れにくく、消臭にも時間がかかってしまうのですが、ここは2日も経っていないので気合いを入れれば半日で終わるというのです。
気合いを入れて終わらせたときには正人はぐったりしています。
ですが長井は作業服を脱いで、次の現場に向かうぞ!と正人に言います。
次の仕事は見積のみで、部屋の中を見るだけなので清掃はないそうです。
60代の女性が死後4か月で発見されたらしく、正人も見積もりに一緒について行きます。
正人(死後4か月って・・・いったいどんな状況だろ・・・怖すぎる・・・)
中に入ると先程の現場とは逆で、普通に人が住んでいそうなきれいな1Kでした。
ここで人が亡くなったとは思えずにいる正人ですが、長井に呼ばれて部屋の奥へ入ると、布団の上にくっきりと「人だった形」が残っていました。
長井「汚染の範囲はそこまで広くないですが、体液が下の土台までいっているのでこの部分は全部取り替えですね」
そう言いながら畳の下をめくって、大家さんに説明します。
大家さんは畳だけ新しくすればいいかと考えていたようですが、4か月も体液のついた素材は消臭に限界があり、完全に臭いを消さないと次の入居者にも影響があるのでは・・・と説明する長井の話に納得しました。
そして仕事が終わり、ビールを片手に長井からお疲れさまと労われます。
ですが正人はしたを向いて少し落ち込んでいる様です。
正人「なんか・・・気の毒だなって・・・。ひとりぼっちであんなふうになくなるなんて・・・」
孤独死した60代の女性の部屋の事を思いだして、正人は落ち込んでいるのです。
長井「そんなの気に病むことじゃないよー」
正人「え?」
長井「だって孤独死する人はみんな、自分が孤独死するなんてこれっぽっちも思っちゃいないんだから」
正人はなんだか理解が出来ないでいます。
長井「だって最後の人の部屋見た?」
「お皿も軽く洗ってあって、生ごみも細かくして三角コーナーに捨ててあったでしょ。あの後ちゃんと片付けするつもりだったんだよ」
きっとそうやって何年も一人で生きてきたのでしょうが、ある日具合が悪くってしまい、ちょっと横になれば治ると布団に入ったところ亡くなってしまったのでしょう。
長井「目が覚めたらいつもの日常がくるのが、こなくなっただけ」
「たとえ明日目が覚めなくてもいいと思っている人でも、明日は来るもんだと思って生きてるんだ」
「確かに最後は見るに堪えない姿になっていたとしても、俺たちが思うほどあの人たちはヒサンな生活を送っていたわけじゃないんだ」
「そう思うと亡くなった人たちも「人間として一つの人生をまっとうした」と思わない?」
その長井の言葉を聞いて、この仕事って報われないと思っていた正人もやる気がでたのです。
ここまでこられたのも長井のおかげだと改めてお礼を伝えますが、長井は笑ってよかったよかったと言ってくれました。
そして長井から実は相談したいことがあると話を変えられます。
ここからはビジネスの話をしよっかと振られて、正人は少し嫌な予感がします。
家に帰ると、妻が長井さんが元気だったか様子を聞いてきました。
まぁ・・・と流す正人は少しげっそりしており、何かあったと思わせる雰囲気です。
妻「何かあったの?」
正人「山田スペシャルってあるじゃん?」
山田スペシャルとは正人が作った消臭剤で、すごく評判が良く口コミでも広がっており依頼が増えているほどでした。
正人「それが長井さんの耳にも入ったみたいで、めっちゃほめてもらったんだけど・・・」
どうも長井も同じものを作ろうとやる気満々で、正人にレシピを教えてほしいと交渉してきたのです。
妻は驚き、それでなんていったのか焦って聞いてきます。
正人は長井に企業秘密にきまってるじゃないですかーと笑いながら押し通したのです。
恩人でも今は同じ職業のライバルであるので、このような水面下の取引をかわしていかないと生き残ってはいけないのです・・・。
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不浄を拭うひと【第8話】感想
自殺の現場は、孤独死や殺人現場よりも落ち着いた雰囲気なんだろうと勝手に思っていましたが・・・
まさかの悲惨な状況でした。
血まみれの部屋は見るだけでぞっとしてしまいそうですよね。
長井さんは結果的に正人の作った消臭剤を狙っていましたが(笑)
先輩として教えてくれた、あの言葉は私にも胸に突き刺さりました。
みんながみんな明日死ぬと思って生きていないですもんね・・・。
だからこそ一日一日をしっかり生き抜かなければと思います!
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