「だんだん街の徳馬と嫁」を読みました。
第8話では義一が万火子と別れを告げます。
そして徳馬は万火子との夫婦生活を守るために義一にいなくなって欲しいと願うように…
3人の関係はどのように変わっていくのでしょうか…
気になる続き下巻9~最終話までの結末ネタバレをどうぞ!
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目次
「だんだん街の徳馬と嫁」のあらすじ・結末ネタバレ
本作は上・下巻に分かれており、1巻あたりの量も多いので、下巻を2つに分けてご紹介します!
今回は9話〜最終話になりますので、結末ネタバレにご注意ください。
【第9話】誰にとっても
帰宅途中、家の近くの道で徳馬は義一に出会います。
何をしているのかと問う徳馬に万火子と話したと答える義一。
万火子は俺の嫁だと掴みかかる徳馬と義一が一触即発になった時、二人に声がかかります。それは飲み屋の女でした。
そしてその女はパナマ帽をかぶった男が徳馬に用事があって家を知りたがっていたので家を教えたと言いました。
その男に義一には心当たりがありました。
城野です。
一方家では万火子が城野に襲われていました。
ガムテープで手足を縛られ今にも犯されそうになっています。
城野は義一に復讐するために万火子のところへきたのでした。
近くにあった包丁を手にした万火子は城野の顔を切りつけ懸命に抵抗します。
そこで部屋の中に徳馬が飛び込んできました。
そのまま城野にとびかかり警察に突き出すと怒る徳馬。
城野が「兄と弟と通じた売だぞ!」と万火子の事を罵った瞬間、義一は城野を背後から包丁で刺しました。
何度も何度も。
驚く徳馬と万火子に義一は言います。
「万火子のためやない。殺したいち思って殺したんよ。俺は人殺しや。晴れてここにおられんごとなった。誰にとってもそれが一番よかろ」その代わり自首するつもりはないからここから逃げるという義一。
警察には自分がやったと伝えるようにと言い残し義一は部屋を出ていきました。
残された徳馬は城野の死体を運びました。
これからも当たり前の人生を過ごすため、義一を守るため。
電車に乗った義一は思います。
当たり前の人生が俺にもあったはずなのにどこで道を間違ってしまったのか。
万火子も失い、古郷も失い。
戦争で片目を失った時、本当は死んでおくべきだったのかもしれないと――。
失ったはずの目から涙が流れ落ちるのでした。
【第10話】世界は続く
義一がいなくなって一年――。
当たり前の日常を徳馬と万火子は過ごしていました。
徳馬は仕事でも班長を任されるようになるほど成長していました。
義一がいなくなってから一皮むけたようだと言われます。
どんなに惨い事が行われても世界はこうもあっけなく営みを続けていく…それを暴力のように感じることすらある徳馬でした。
それでも、徳馬は万火子とその当たり前の営みを続けることが何よりも大切でした。
一方、義一は大阪にいました。
売春宿の用心棒として働いていました。金のためなら何でもするという義一はその日の食い扶持を稼げればよいというその日暮らしの生活を送っていました。
そんな死んだように生きている毎日を送っていると、万火子のことすら夢だったのではないかと思えてくる義一。
居酒屋で一人酒を傾けていると、女将が義一の方言を聞いて九州の人なんだね、と話かけてきました。
酒のせいか疲れのせいか、義一はその時妙に口が回ってしまいます。
自分は何のためにみっともなく神様にすがってまで戦地から帰って来たのか。
潔く死んでおけばよかった…。
そう言う義一に、女将は言いました。
自分は昔は日本軍のお偉いさんの奥さんだった。
しかし旦那は戦争で死に、恩給生活をしていたが敗戦でそれもなくなってしまった。
自分で稼ぐこと一つも知らない自分は途方に暮れて死んだ方がいいとまで考えた。
けれど、一番つらかったのはお腹が鳴ったこと。
こんな状況でもお腹がなる意地汚くて浅ましい人間だと思った時気づいた。
人間は頑丈にできている。思いもよらない方向へ人生が傾いた時、どれだけ良い方へ持っていけるかが人生だと。
義一は覆らないことは覆らん、自分はもう二度と古郷にはもどれないけれど、それなりに人生を立て直していくしかと思い始めました。
三十年後・昭和五十三年――
義一はタクシー運転手をしていました。
八幡製鉄所はかつては高度成長を支えた立役者でしたが、今では公害をまき散らすお荷物となり、ついには操業停止が決定しました。
八幡の住民の肺は公害で真っ黒になってしまい肺病に苦しむ人が数多く出ています。
そして何気なく客が見せてくれた新聞には、公害問題の記事で肺病で苦しむ万火子の写真が――。
いてもたってもいられなくなった義一は八幡におり立ちました。
【最終話】徳馬と義一
大好きな女、大好きな場所、すべてを捨てて生きて来た三十年。
人殺しの元夫の存在など万火子にとっては迷惑だろうと思いはするものの、一目だけでも会いたいという思いが抑えられませんでした。
病室のドアを開けると、カーテンで仕切られたベッドの方から声がしました。
義一が万火子の名前を呼びカーテンを開けようとした瞬間、万火子は入ってくるなと言いました。
生きている姿が一目見たいと願う義一に、万火子は言います。
こんなやつれた姿を義一には見せられないし、早く帰ってくれないと義一が来てくれたことが嬉しくなってしまう。
自分は徳馬の妻として死にたい、そのくらいの矜持を持たせて欲しいと。
その言葉を義一は拒否できずカーテンを開けることなく病室を出ていきました。
帰りの電車を待つホームで、義一はやはり戻ってくるんじゃなかったと後悔します。
この後に及んで万火子から「会いに来てくれたことが嬉しくなってしまう」という言葉を万火子からきけて嬉しくなってしまう浅ましい自分が嫌になります。
しかしその一言が聞けただけでも生きていて良かったと思わずにはいられない義一でした。
電車に乗り大阪へ戻ろうとした瞬間、徳馬が電車に飛び乗ってきました。
様子のおかしい万火子から聞き出してやってきたのです。
二人でかつての自分たちの城、八幡製鉄所へやってきました。今はもう静かです。
今更何のようかという義一に、徳馬は言います。「鬼はもう死んだやろ、地獄の釜でよう燃えて死んだやろ」。
城野を運んだあの夜、城野は途中で息を吹き返していました。
そして命乞いをする城野を徳馬は首をしめてとどめを刺した上で製鉄所で燃やしてしまったのでした。
そうして義一はよその製鉄所に移ったと言って回ったらあとは誰も疑わなかったのです。
もう罪を負うのをやめろという徳馬に、虫も殺せなかった徳馬を人殺しにしてしまったのに今更免罪されたなんて思えないという義一。
しかし徳馬は自分で選んだことでした。
万火子と義一の間に自分が踏み入れられないことはわかっていたのに、万火子を手放せなかった。
一緒にいたいがためにしたのです。
苦しかったけれど、それに余りあるほど幸せだったという徳馬が義一にはうらやましく、徳馬は万火子の心を奪っている義一が羨ましいのでした。
ほどなくして万火子が死にました。
死に際に万火子は言いました。
城野を運んだ夜、徳馬が何をしたのか知っていながら何も言わなかった醜い鬼のような自分。
それをこの人生で償えただろうか、徳馬は幸せだっただろうか――。
徳馬は祝言を挙げたとき、こんな可愛い人と結婚できるなら何があってもいいと思ったから、いいんよ。
と優しく万火子に言いました。
数年後、万火子の命日に徳馬がお墓へ行くと義一がすでに来ていました。
義一は徳馬に自分の知らない万火子の話を聞かせてくれと頼みます。
勿論徳馬は話します。
“あの町にすんどったもんなら みんな知っとったごたる…当たり前の話ばっかやけど――。”
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だんだん街の徳馬と嫁【第9話~最終話】の感想
みんなちょっとずつ不幸でちょっとずつ幸せな終わり方ですっきりしたようなしないような感じがしてしまいました。
でもこれ以上のハッピーエンドは考えられなかったと思います。
兄が戦争で死んで弟に嫁ぐとか姉が死んで妹が姉の旦那に嫁ぐというのは戦争中にはあった話だそうです。
今では考えられない話ですが戦争がどれだけ人の人生を狂わせるのかということを考えさせられるお話でした。
当初の印象からはかなり重い展開になってきましたが、とっても面白いお話でした!
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