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髑髏は闇夜に動き出すのあらすじ
身寄りがなく、このまま孤独死を待つだけだった老人の隣に、心優しい家族が引っ越してきた。
老人は一家の優しさにふれ、自分も家族の一員になったかような幸福を味わう。
しかし、何者かに一家を殺害され、その現場の第一発見者となってしまう。
深い悲しみに襲われた老人に芽生えたのは、犯人たちへの復讐心だった。
がんに蝕まれた体をおして、老人は闇夜に動き出す。
寿命はもってあと僅か…
髑髏は闇夜に動き出すのネタバレ
老人と家族
「人生…こんなもんか」
老人の寿命は、治療を受けなければもって5か月だと医師に言われた。
89歳、胃ガンだった。
やりたいことも、やり残したことも、家族もいない。
今更足掻く気にもなれず、ただ達観するのみだった。
そんな老人の人生に、転機が訪れる。
隣に3人家族が引っ越してきた。
もうすぐ二人目が生まれるという一家はとても優しく、家族の幸せを感じさせてくれた。
家族団らんの中食べたご飯の時間。
出産するのを今か今かと待っている時間。
本当の孫のように楽しむ時間。
老人は今やっと孤独でなくなったのだった。
ある日、家族に食器を返すために隣の家を訪れた老人は違和感を感じた。
玄関が開いており、恐る恐る入ってみると、男二人が窓から逃げるのを見てしまう。
そしてそこは壮絶な殺人現場と化していた。
一家は血みどろになっており、死んでしまっているのは明らかだった。
老人は深い絶望を感じ、家族を奪った犯人に復讐を誓うのであった。
手掛かりは、犯人が落としていったスマートフォンだけだった。
接触
スマートフォンにかけてきた男を呼び出し、殺す算段をたてる。
顔は髑髏の仮面で隠した。
当日、何とか男を捕らえることに成功。
監禁
家の地下に身動きが取れないように縛った状態で、拷問を試みる。
しかし、男は不敵に笑い復讐なんて諦めろと言う。
老人のハンマーを持つ手が震えていたからだ。
やきもきしていると、警察が来て娘が生きていることを教えてくれた。
急いで病院に駆け込むと、娘は風前の灯火だったようで、老人の目の前で息を引き取ってしまった。
二度も家族を奪われた老人は、復讐に燃え、地下に戻った後は容赦なく拷問を行った。
仲間の居場所を聞き出した老人は男の息の根を止めた。
追跡
もう一人の男を調査し、ついに素性を掴んだ老人はその男を路地裏におびき出す。
追いかけてきた男を老人はネイルガンを改造したもので、めった刺しにする。
そこで老人は男たちに命令した高杉という人物の存在を知る。
さらに不幸なことに老人が殺す前に、男はトラックにはねられ、絶命してしまう。
逃亡者
一家殺人を追っていた警察の渡部は、老人から呼び出しの電話を受けた。
老人は一家殺人の容疑をかけられており、現在追われる身であった。
渡部は人目のつかない廃墟で老人と会い、今回の事件について聞かされた。
渡部は老人が今復讐にとらわれて、忘れてはいけない一家との絆を忘れているとさとした。
その瞬間、二人は何者かに襲われ連れ去られてしまう。
逝く
老人は手錠で柱につながれ、6日も痛めつけられ続けた。
生きているのが不思議な状態だった。
今回の事件の黒幕である高杉は、老人が警察を殺したようにカモフラージュして、二人を亡き者にしようと計画した。
しかし、老人は指をかみちぎって手錠を抜け出し、警察を助けると、まだ自由が利かないふりをして、高杉が近くに来るのを待った。
そして、警察が逃げたと知りのこのこと現れた高杉とその部下を執念で殺す。
部下は喉をかみちぎり殺した。
高杉は、鈍器で全身を砕いて殺した。
そして、老人の復讐と命はここで終わったのである。
後の調査によると、老人は死後3日たった状態であったそうだ。
助けられた警察は、自分の命よりも大切なもののために戦ったのだろうと、敬意を示したのであった。
以上です。
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髑髏は闇夜に動き出すの感想
いかがだったでしょうか。
200ページ以上の大作で、とても読みごたえがありました。
さらに、文章ではなかなか表現できない表情の機微が感じられ、作品としてもクオリティーの高いものとなっていると思います。
感想ですが、ガンに侵された老人が、執念だけで動いているのがゾクゾクしました。
いや、生い先が短いからこそここまで復讐に身を預けることが出来たのでしょうか。
あと、老人の心境を表現した真っ黒な分身が現れるシーンが所々にあるのですが、その表現がこの物語の虚しさと壮絶さを表現していてとても素晴らしいと感じました。
心に穴が開いた分身。
本体と全く変わらない分身。
そして、最後は壮絶な怒りを湛えた分身。
最後のはもしかしたら本当に真っ黒に陰っていたのかもしれません。
老人の怒りがそれほどまでに強かったのでしょう。
この物語から得られる教訓は、失うものがなければ人間は何にでもなれるということでしょうか。
私は物語の取り方としてはちょっとおかしいかもしれませんが、おじいさんのように失うものなんてないと一念発起して、執念を燃やしていきたいですね。
ここまでご覧くださってありがとうございました。
それでは、また次回の記事でお会いしましょう。
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