ブラックご近所~母親失格~のネタバレ・感想!無責任な大人たちが起こした凄惨な事件

漫画「ブラックご近所~母親失格~」は高橋瞳子先生の作品です。

ブラックご近所~母親失格~は平成18年に埼玉県で実際に起こった事件を元にして作られた作品です。

暖かい家庭を望んでいた川村恵利が駆け抜けた真逆の人生とは、いったいどのようなものだったのでしょうか——?

 

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ブラックご近所~母親失格~のあらすじ・ネタバレ・感想

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ブラックご近所~母親失格~のあらすじ・ネタバレを紹介しますのでご注意ください!

ブラックご近所~母親失格~のあらすじ

——平成20年3月 埼玉県三郷市で 鬼畜の所業ともいうべき 事件が起きた

川村恵利 29歳は3人の子供の育児を放棄し 2歳の次男を死亡させ その双子の長女にも 傷害を負わせたのだった——

 

ゴミで溢れかえった部屋の中でオムツをつけた男の子がうつぶせに横たわっています。

恵利「佑人? 佑・・・」

恵利「ひっ 死んでる・・・」

恵利は男の子に声をかけ、体をゆすろうとしたところ、男の子は既に死んでいました・・・。

この男の子にいったい何があったのでしょうか——?

 

——川村家は市から産業廃棄物処理を請け負う大手清掃会社を営んでおり 地元でも有名な資産家である

祖父母は1000坪の屋敷に暮らしているが 恵利たちは川村家が所有するマンションに住んでいた——

 

恵利の父「おいっ 恵利っ」

恵利「え?」

恵利の父「陰気なツラしてんじゃねぇっ 酒がまずくなる」

そういって恵利の父は恵利の頬を強く叩きました。

幼いころから恵利は酒癖の悪い父に理不尽なことでたびたび暴力を振るわれていたのです。

 

食事は家でとることはなく、母親とふたりで外食ばかり。

母親と外食しているときに、ふとよその家族が恵利の目に留まります。

楽しそうに家族3人で食事をしている姿に、恵利は羨望の目を向けていました。

子供に無関心な両親をもつ恵利は、自分の家庭を持つことに強く憧れます。

 

そして平成13年に22歳で有賀という男と結婚をします。

ウェディングドレスを着た恵利は幸せそうな笑顔でこう言いました。

恵利「あたしね 早く子供欲しい たくさん産んで明るくて楽しい家庭を築きたいの」

この時の恵利の言葉は、確かに恵利の本心だったのでしょう。

 

暖かい家庭に憧れた恵利はやっと幸せな自分の家庭を手に入れたと思ったのでしょうね。

 

翌年、長男である将人を出産しますが、恵利の子育ては順調とは言えませんでした。

大きな声で泣く将人に、恵利はイライラしています。

恵利「あーーうるさいっ なんだよ 赤んぼなんて手がかかるばっかりでちっともかわいくないじゃん」

有賀「ただいま 将人はまだ泣いているのか?」

有賀の言葉に、恵利は嫌そうな顔で声を荒げます。

恵利「あたしのせいじゃないわよっ 勝手に泣いてんのよっ」

有賀「よしよし じゃあおれが将人の面倒見てるから夕飯の支度をしてくれよ」

将人を抱き上げてあやす有賀に、恵利はさらに怒鳴りつけます。

恵利「イヤよ 作れるわけないでしょ 将人の世話でくたくたなんだから」

有賀は呆れて言い返し、恵利はさらに怒ります。

そうして夫婦の仲は冷え込んでいき、やがて離婚をすることになりました。

 

子供の面倒を見てると言ってくれる旦那はいい人に思えますけどね・・・。

この時の恵利は育児でいっぱいいっぱいで旦那に感謝する余裕がなかったのかもしれませんね。

 

その後恵利は元夫の養育費と親の援助を受け、まだ幼い将人を連れて深夜まで遊び歩くようになってしまいます。

その日も、明日美容院に行きたいから将人を預かってほしいと母親に電話で頼みます。

しかし母親に仕事が忙しいと断られ、自分には美容院に行く自由もないのかと苛立っていました。

 

その時、隣の席で飲んでいた見ず知らずの男、相田に声をかけられます。

相田「あの~っ 日曜日でよければおれがこの子を預かろうか?」

恵利「え!?」

相田「あ ごめん 思いきり怪しいよね」

 

聞くと相田にも8歳の子供がいるのですが、別れた妻が引き取ったため、今は会えないのだそうです。

将人を見て自分の子供を思い出したため、恵利に声をかけたとのことでした。

 

その後恵利は相田と恋人のような関係になります。

恵利「相田さん何歳?」

相田「今年ちょうど40歳」

恵利「あたしより14も上 だから落ち着いてるのかぁ」

恵利「あったかい こういうの安らぎっていうんだね」

 

恵利は相田に安らぎを求め、平成16年には相田の社宅に転がり込み、相田と将人と3人で一緒に生活を始めます。

 

いきなり声をかけてきた相田、あまり信用ならないような気もしますが・・・。

 

翌年4月に将人が幼稚園に入園し、間もなくして恵利の妊娠が発覚します。

医者「双子ですね」

恵利「えっ双子!?」

恵利(無理 育てられるワケがない 将人だってうまく育てられなかったのに・・・)

恵利(双子なんて絶対無理)

 

将人が赤ちゃんの頃に育児にいっぱいいっぱいだった恵利は、双子を育てる自信がなく、帰って妊娠のことを相田に相談します。

 

相田「双子を妊娠した?」

恵利「でもあたし育てる自信ない・・・」

相田「産んでくれ」

相田「おれの子をまたこの腕に抱けるとは思わなかった」

相田は恵利の妊娠を聞き、産んでほしいととても喜んだのです。

恵利は相田の言葉で双子を産み育てることを決心しました。

 

しかしその後、相田の名古屋への転勤が決まり・・・。

恵利「えっ 名古屋? いつ?」

相田「むこうの所長が倒れて代理で・・・ 来週中には行かなきゃならない」

恵利「そんな急に!? ムリだよ 将人の転園の手続きだってあるし・・・」

しかし焦る恵利の耳へと飛び込んできたのは、さらに信じられない言葉でした。

相田「ごめん むこうの社宅単身者用なんだ 連れて行けない ここも引き払わなきゃならない」

 

信じられないという顔をする恵利。

目に涙が浮かんできます。

恵利「じゃああたしと将人はどうすればいいの? お腹の中の双子は? 産んでくれって言ったよね!?」

恵利「あたしひとりで産んで育てるの? ムリだよっ できない!!」

相田は恵利の肩を掴み、なだめるように言います。

相田「ちょくちょく帰ってくるし 出産にも立ち会うから おれだって双子が生まれてくるの楽しみにしてるんだよ」

恵利「あたしたちを捨てるんじゃないの?」

相田「まさか お母さんによく頼んでいこうな」

 

相田に言われるがまま、恵利は身重の体で実家へと戻っていきました。

恵利の母「バカだね おまえ そんな腹ボテで捨てられたのか?」

恵利「違うよ ただの単身赴任だよ 籍は入れてないけど”妻”だから」

恵利「だけど社宅追い出されちゃって・・・ おばあちゃんのマンションって空いてないかな?」

行くところがなく、困っている恵利に、恵利の母はお屋敷に住めばいいと提案します。

各世帯鍵付きの鉄扉で仕切られた完全独立型の三世帯住宅に、今は祖父母しか住んでいないため空いているのだと言います。

その話を聞き、恵利は将人を連れて、平成17年からそのお屋敷で暮らし始めます。

 

お屋敷での生活を始めてから、相田に何度も連絡をしますが、なかなか連絡がつきませんでした。

やっと電話に出たと思えば、忙しいからとすぐに切られる始末。

恵利の元へ帰ってくるのも年数回程度になっていきます。

 

12月、双子の佑人と佐希が生まれました。

双子のお世話はミルクをあげるだけでも一苦労で、恵利は母親に仕事を辞めて手伝ってくれないかと頼みます。

しかし恵利の母親には子供が嫌いだからと断られてしまいます。

 

恵利には不安しかなく、ひとりでする育児はすぐに行き詰ってしまいました。

片方にミルクをあげれば、片方が泣き、洗濯物はどんどん溜まり、部屋の片付けもままなりません。

しかし恵利は自分の食事も後回しにして双子の育児を頑張っていました。

 

双子のオムツとミルクがなくなったので買い物に出ようと、祖母に双子を見ててもらえないかと相談します。

30分くらいなら、と了承してもらえたので、祖母に双子を任せ、買い物に出かけようとしますが・・・。

恵利の祖母「なんだ ずいぶん散らかってるじゃないか」

恵利の祖母「うわっ ここはもっとひどい おまえ 人んち間借りしてるんだから 掃除くらいしろっ」

恵利「掃除なんてムリだよ 双子育ててればご飯食べる時間もないんだから」

恵利の祖母「いいや おまえは母親に似て昔からだらしなかった 男にもだらしないからいつも逃げられるんだ だいたい双子の父親だってどこの馬の骨だかわかりゃしない」

祖母の言葉を聞いた恵利は頭にきて祖母を怒鳴りつけて追い出してしまいます。

恵利「もういいよ おばあちゃんには頼まない 出て行けっ 二度と来るなっ」

 

恵利(口うるさいババアめ だから誰もこの家に寄りつかないんだ ああ疲れた もう限界 肩も背中も腰も鉄の板が張り付いているよう)

祖母を追い出し、そんなことを考えていると、今度は電話が鳴り響きます。

 

恵利「はい」

幼稚園『ああ ひまわり幼稚園ですが 将人くんのお迎えがまだなんですけど?』

恵利「ああ・・・ 今行きます」

恵利はそう答えて、双子が泣いているのを放置して、将人のお迎えへと向かいます。

 

将人の幼稚園のお迎えの帰り道、コンビニで二人分のお弁当を買っていると、自分と同じくらいの年の女性2人の会話が耳に入ります。

女A「ねぇねぇ今度の旅行先どこがいい?」

女B「韓国はどう?」

女A「いいわねえ 買い物ツアー行こうか」

 

恵利(いいなあ おしゃれして自由に遊びに行けて なんという違い なんであたしだけ・・・)

そんなことを考えながら、もやもやした気持ちで帰路につきました。

 

家に帰ると双子が顔を真っ赤にして泣いています。

恵利が家を出てからずっと泣き続けていたようです。

恵利(あたし 将人の時より頑張っているよね こんなに頑張っているのにどうして——? ああ泣き声とシンクロして動悸が止まらない)

恵利(どうして誰も手伝ってくれないの? どうしてあたしひとりが犠牲にならなきゃいけないの?)

 

様々な気持ちを抱えた恵利は、ついに自分の気持ちを我慢できなくなってしまい——!?

ブラックご近所~母親失格~のネタバレ

ある日恵利は念入りに化粧をし、どこかへ出かける準備をしていました。

そんな母親の様子に気が付いた将人は、恵利に声をかけます。

将人「ママー どこか行くの?」

恵利「ちょっとね」

将人「ぼくも行くー」

恵利「将人はダメ 佑人と佐希見てて」

将人「やだー ぼくも連れてってー ママー」

泣き叫ぶ将人と双子を置いて、恵利は夜の街へと出かけていきました。

そうして恵利は、双子が1歳を過ぎた頃からまるでタガが外れたかのように遊び歩くようになります。

恵利の携帯には将人が家の電話から何度もかけてきていますが、恵利は無視して電源を切ってしまいます。

 

恵利が飲みに行く店の店員の喜朗は、恵利のことを気にかけていて、恵利が飲みすぎると仕事終わりに家まで送ってくれていました。

この頃から恵利は食事を作らなくなり、子供たちには出来合いの弁当かファーストフードを与えるだけとなっていきます。

 

そして平成19年の10月。

いつものように飲んで家に帰ると将人が起きて恵利を待っていました。

恵利「あれ~ マチャトまら起きてたの~? ころもは早く寝なちゃ~い」

将人「佑人が苦しそうなの」

将人の言葉に驚いた恵利は急いで佑人を総合病院に連れていきました。

 

診察室で佑人の体を見た医者や看護師は異変にすぐに気が付きました。

医者「この子1歳10か月?体小さいな オムツかぶれもあるし臭いもひどいし風呂に入れてないだろ 典型的なネグレクトだな 児相に電話して」

 

看護師「佑人君 風邪をこじらせて肺炎を起こしているので入院になります うちは完全看護ですけど必要なものをそろえてまた来てください」

看護師「それから佑人君は生まれつき小柄で体力がなく 脱水症状を起こしやすいから こまめに水分あげてくださいね」

しかし恵利は看護師からは何も言われず、完全看護の入院になるとだけ伝えられました。

佑人が入院すると聞かされた恵利は、今まで放置していたことを反省するどころか、完全看護で入院なんてラクができる、と喜んだのでした。

 

自分の子供が入院して喜ぶなんて・・・ とても信じられないです。

恵利は子供のことよりも自分が遊ぶことを優先してしまっているのですね。

 

佑人が1週間後、退院すると、恵利のもとに児童相談所の職員が訪れました。

 

小林「児童相談所の小林と申します 佑人君が退院されて様子を見に伺いました」

恵利「はあ?佑人は元気ですけど?」

小林「佑人君と佐希ちゃんはいかがですか? ちょっとお顔を拝見できませんか?」

恵利「今昼寝中です せっかく寝付いた所なので迷惑だから帰ってください」

 

プルルルル プルルルル

小林「児相の小林です その後お子さんたちはいかがですか?」

恵利「3人共元気ですよ」

 

小林「今度伺いたいのですがいつだったらご都合よろしいですか?」

恵利「会いたくありません」

 

このようにして、児童相談所から4回の訪問、7回の電話が来ましたが、恵利は全て断ってしまいます。

病院から報告を受けていた児童相談所ですが、実態をつかめないため警察に連絡することもできずにいました。

 

年が明けて1月のこと——

将人「ねーママ 今日かなえ先生から「幼稚園お休みしてるけどどうしたの?」って電話があったよ」

将人「「小学校行く準備できてますか」って ねえ準備って何?ランドセルはいつ買うの?」

恵利「あっ そういえば説明会と事前健診の通知来てたな え・・・11月20日って過ぎてんじゃん」

恵利の言葉に驚いて、泣き出してしまう将人。

将人「ぼく 小学校行けるの?」

恵利「さー どうだろうね アハハ」

将人「ママのバカー」

将人はショックのあまり、恵利のことを叩いてしまいます。

そのことで恵利は怒り、嫌がる将人の腕を引っ張って、とても寒いベランダへと放り出してしまいました。

将人「ママーッ あけてー ごめんなさい 寒いよー!! うわーん」

 

1月のベランダなんて寒くて心細いでしょうね・・・。

読んでいてとても心が痛くなるシーンでした。

 

将人の泣き声を聞きつけた近所の人から「子供の泣き声がする」と立て続けに2件も通報が入りましたが、マンションの多い地域だったため、警察は場所を特定できませんでした。

警察が通報を受けてから情報収集をすること3日目。

近所の人「それなら川村さんちじゃないの? たびたび子供の泣き声が聞こえるけど」

と、証言があり、恵利の家に警察が訪れました。

 

恵利の祖母「ああ 幼稚園に通うひ孫が夜泣きして困っているんですよ すみませんね ご迷惑おかけしまして」

警察「そうですか ではよく面倒見てくださいね」

恵利の祖母「ええ ええ わかりましたよ ご苦労様です」

警察が訪れた時は恵利の祖母が受け答えをしたため、恵利本人と会うことはありませんでした。

警察「しっかりしたご婦人だし虐待の心配はないだろう」

 

恵利の祖母は警察には笑顔で受け答えしていましたが、その後恵利に玄関先でばったり会うと迷惑そうな顔で文句を言います。

恵利の祖母「ちょっとおまえ 子供の面倒ちゃんと見なさい ご近所に通報されてるじゃないか」

恵利の祖母「まったく川村家の面汚しだよ こっちはおじいさんが入院して大変だっていうのに」

 

恵利の祖母はやはりあまり孫に関心がないようですね・・・。

世間体ばかり気にしているような印象です。

 

祖母に叱られた鬱憤を飲み屋で晴らす恵利。

恵利「あーっ アタマ来る あんなクソババアがいる家に帰りたくないよぉ 喜朗君とこ行っていーい?」

喜朗「だったら恵利さんマンション借りてよ 今のアパート古いし手狭なんだよね」

恵利「えーホントに? マンション借りたら一緒に暮らしてくれるの?」

恵利は喜朗の言葉に喜び、2月になると今度は喜朗のアパートに入り浸るようになります。

家には1日に一度玄関先で将人にファーストフードを渡すだけで、子供たちのお風呂や双子のオムツ替えなども全くしなくなりました。

将人には家に鍵をしめてひいおばあちゃんがきても入れちゃダメ、電話にも出るなと言い聞かせていました。

 

そして3月3日、喜朗と暮らすマンションが見つかった恵利は、自分の荷物を取りに家に戻ってきました。

将人「ママどこ行くの?旅行?」

恵利「ううん 引っ越し」

恵利「じゃ ママはもう居なくなるから後はよろしく」

将人「え!? 行かないでーっ ママ―っ うわーん行かないでよーっ」

将人が恵利の言葉に驚き、大声で泣いて止めようとしますが、恵利はそのまま出て行ってしまいます。

将人と同じように双子も泣き出すと、将人は双子を抱きしめ、「泣かないで お兄ちゃんがいるよ」と慰めるのでした。

 

ママがいなくなって自分もとても悲しくて辛いはずなのに、弟や妹のことを気に掛ける将人はとてもやさしい子ですね・・・。

それにしても信じられません。

後はよろしくって、5歳の子と1歳の双子だけを家に残して大丈夫だと思ったのでしょうか。

 

それから将人は家の中を漁り、戸棚に残ったお菓子などを兄妹で分けながらなんとか生きながらえていきました。

部屋はゴミで溢れ、炊飯器の中のご飯は腐り、生まれつき体力のない佑人は、食べ物を口にすることもできなくなっていました。

将人はさみしさと空腹で、1日30回も恵利に電話をかけましたが、恵利は出ようともしませんでした。

 

そして3月13日、何度もかかってくる将人からの着信に、しぶしぶ電話に出た恵利。

恵利「なあに? 将人しつこいね おなか空いたんなら戸棚にお菓子とかあるでしょ?」

将人『佑人がずっと起きないの ずっと目つぶったままなの』

恵利「え? ゆさぶって起こしなよ」

将人『ゆさぶったけど起きないの 口からなんか吐いてる』

 

将人の言葉に驚いて、慌てて家に戻る恵利。

恵利「佑人? 佑・・・ ひっ」

恵利「死んでる・・・」

恵利が家に戻り、佑人の様子を見ると、佑人はすでに死んでしまっていました。

 

将人「ママ 佑人どうしたの?死んじゃったの?」

涙を浮かべて佑人のことを心配する将人を恵利は思い切り叩きました。

恵利「どうして自分ばっか食べて佑人にあげないの!? ママの子として失格だよっ」

恵利は衰弱する佐希と泣き叫ぶ将人を連れて、佑人の死んだ部屋を出ます。

 

子供たちの気持ちを考えると、見てられないくらい酷いシーンでした。

佑人の死は自分の行動が起こした結果なのに、将人のことを怒る恵利・・・。

親として以前に、人として失格だと思います。

 

その後自ら119番し、佐希を入院させることにしました。

佐希は脱水症状を起こしており10日間の入院が必要だったのです。

将人は喜朗と同棲するマンションに連れて行きましたが、その夜佑人のことを思い、色々な考えを巡らせました。

 

恵利(あたしが殺した? あたしだけの責任?)

恵利は、有賀や母親、祖母が言った言葉を思い出していました。

 

その次の朝早く、恵利は母親に電話をかけました。

恵利の母「恵利? なに こんな朝早く」

恵利『お母さん 佑人がひっくり返ってるから部屋へ見に行って』

恵利の母「え? なに? どういうこと?」

恵利『もう死んでるかも・・・』

恵利の母「恵利!?」

 

その後、合鍵を使って部屋に入った恵利の父が佑人の遺体を発見し、警察に通報しました。

遺体発見時の佑人の体重はわずか9kgしかなかったそうです。

死亡原因は脱水症状と栄養不足で、死亡推定日は3月9日でした。

 

警察に保護された将人は婦人警官に「つらかったね」と声をかけられました。

しかし、「ママは悪くない ぼくが全部悪い」と母親をかばって泣きました。

 

それに対して、恵利は警察の事情聴取でも反省の言葉や後悔の言葉を述べることはありませんでした。

恵利「佑人が死んだのはあたしだけの責任ではありません ほかにも面倒を見るべき人がいたんだから」

 

その言葉は、あまりに冷酷で非人道的な犯行と判断され、懲役6年の判決が下ったのでした。

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ブラックご近所~母親失格~の感想

ブラックご近所~母親失格~、とても嫌な気持ちになるシーンがたくさんありましたね。

恵利の行動は一生理解できないと思いますが、恵利の母親や祖母も、あまりに冷たいなと思うところが何度かありました。

いくら子供が嫌いだからと言って、自分の孫であり、ひ孫である将人や双子のことを、亡くなるまで気にかけなかったなんて、信じられないですね。

 

あまり描かれていませんが、双子の父親の有賀も言い表せないくらい最低だと思います。

産んでくれと言っておいて、身重になったら逃げる・・・。

無責任にもほどがあります。

 

最後に同棲していた喜朗も、子供の存在を知りながら、恵利とだけ一緒に暮らしている状況を不思議に思わないものでしょうか?

恵利が悪いのはもちろんのことですが、恵利が考えていたように、恵利だけが悪いとも思えませんでした。

周りの大人の誰もが見て見ぬふりをした結果が今回の悲しい事件を起こしたのかもしれません。

誰かひとりでも子供たちのことを気にかけていれば、防げたのかもしれないと思うと、なんともやりきれない気持ちになりますね。

まとめ

以上、ブラックご近所~母親失格~のネタバレを紹介しました。

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