原作:宮月新・漫画:神崎裕也 先生の作品『不能犯 7巻』のネタバレと感想と無料で読む方法を紹介しています。
衝撃な展開の7巻。
結夏が保坂を使い宇相吹を倒そうとしたその手法にも驚きでしたが、その行動すら全て見越しての宇相吹の行動・・・凄過ぎるとしか言いようがありません。
まさか瀧先生がこんなかたちで亡くなり、結夏までもが・・・
まったく先の読めない展開と驚きの連続!!
この先の展開が気になってしかたがありません。
最後に描かれた、結夏の多田への手紙・・・
大きな展開へ繋がる予感です!!
目次
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一度は退職を覚悟した“多田 友樹(ただ ともき)”と“百々瀬 麻子(ももせ あさこ)”だが、“諏訪部”からの辞令で本庁に配属となり“宇相吹 正(うそぶき ただし)”の捜査に戻れた2人。
元気良く挨拶をする2人だが、案内された部屋は倉庫だった・・・
「ようこそ!宇相吹専従第二班へ」と、“皆川警部”が2人を出迎える。
最初に多田と百々瀬が入った部屋は、キャリア組だけで構成された『第一班 宇相吹専従捜査本部』だが、配属された『第二班』は所轄からの転属組で構成され捜査本部には原則立入禁止でした。
第二班の仕事は、過去15年以内の事件データで宇相吹が関与したであろう事案を一件一件警視庁のコンピューターで割り出していく、パターン照合プログラムを打ち込むだけで捜査には一切参加できない。
1ヶ月後―――
多田は打ち込むだけの仕事で我慢の限界に達しそうになっていた時、“伊達春夫”元警察官の顔を見て《何か大事な記憶の中で見た気がする・・・》と、妙な胸騒ぎを感じる。
百々瀬は2週間 大阪に出張行く事になり、その前に多田を晩ご飯に誘うが「予定がある」と断られてしまう。
多田が向かった先は…
『夜目カウンセリングクリニック』
“夜目 結夏(やめ ゆいか)”は、カウンセリングクリニックを開業していた。
「もう二度とわたしには会わないんじゃなかったの?」そう言う結夏に多田は頼みがあると言う。
多田は、伊達春夫の顔をどこで見たのか心理療法で探ってほしいと伝える。
結夏は「こうして多田が私と関わることを百々瀬さんはどう思うかしら?」と言うが「正義の為の行動なら必ず皆が理解してくれる。」そう言う多田に、「あなたのそういう考え方とても危ういと思う。」と忠告する結夏。
仕方ないと結夏は多田に『退行催眠』をかけ記憶を辿ることに。
その頃、宇相吹は《最近、多田刑事にめっきり姿を見ないけど何をしてるのかなぁ?》と多田を想い《多田刑事を想うと古傷が疼く・・・ 数年前のあの日の記憶が重なって・・・》と、脇腹の傷を触る。
退行催眠中の多田―――
結夏が「周りに何が見える?」
と聞くと、「宇相吹の部屋にいるのが見える・・・」と、前に多田と結夏が宇相吹の部屋で、ファイルを見たときにその中で伊達春夫を見ていた多田。
そこに描かれていた内容は『僕の能力が・・・通じない・・・人間。 期待で胸が踊った。』
結夏は、多田以外にも宇相吹の能力が通じない人間がいたことに驚いていた。
あるアパートの一室に座り込んで壊れたような表情、白髪だらけになっていた伊達。
「・・・宇相・・・吹・・・』と呟く。
7巻43話「通じない男〈中編〉」
多田は自分以外にも宇相吹の能力が通じない刑事がいたことを第二班伝えていた。
第二班の“田ノ上”は、伊達と同じ江戸川署に勤務しており田ノ上いわく伊達は刑事としては優秀だったが正義感が強く融通が利かずに孤立していたと言う。
伊達と宇相吹の関係の噂は聞いた事もなく、元々伊達は自分の捜査を周りに明かさない秘密主義な刑事だった。
そんな中、伊達が女子大生を刺して署内も騒然となった。
公判記録では伊達は精神を病み、事件についても一言も語らず10年の実刑となる。
疑問点は、その現場で伊達や被害者のものではない第三者の血痕が残っていたこと・・・
捜査本部には内緒で伊達の現在の居場所が特定でき、多田と田ノ上は密かに会いに行くことに。
しかし、壊れた状態の伊達・・・
大家に聞いても一日中そんな状態で、多田が熱心な眼差しで話すもピクリとも反応しない。
多田は「何日でも来ますよ。」と伝え、その後も10日間通い続け―――
伊達はついに口を開き過去の話をし始める・・・
伊達は宇相吹を追っていた―――
宇相吹の依頼現場で顔を合わせる、初対面の2人。
いきなり伊達は宇相吹に一本背負いをくらわせる。
『通じない人間』と分かった宇相吹は伊達に自分を刺すよう頼む。
そして、宇相吹を刺す伊達・・・
「これじゃまだ浅い、もっと深く刺して下さい・・・お願いします・・・」と、伊達を見る宇相吹の眼はまるで純粋な子供のどものようで、伊達の心に迷いが生じる。
気づくと刺したと思ったのは宇相吹ではなく女子大生だった・・・
「何ですかこのザマは・・・? せっかく期待したのに・・・貴方にはガッカリだ・・・!』罵る宇相吹。
自分で命を絶つ気力もなくなってしまった伊達・・・
話をきいて涙を流す多田。
「もう一度宇相吹と戦って欲しい!!」と伝える。
その頃、宇相吹の元へ依頼人が―――
先月刑務所から出所した男を標的にと、「私達親の憎しみは決して消えない!」そう語る依頼人は、伊達が刺し亡くなった女子大生の両親なのだった・・・
7巻44話「通じない男〈後編〉」
伊達に刺された女子大生の両親が宇相吹に依頼をしている所を、宇相吹専従捜査本部の刑事が見張っていた。
本部でその報告を受けた諏訪部警視は「くだらぬ情など捨てろ! そして胸に刻め・・・何があろうとも・・・『正義』は我々にあると!!」全捜査官に通達した。
一方、多田は宇相吹への依頼をや捜査本部の動きも知らずに、伊達の家に通い続けていた。
伊達は徐々に多田に心を開いていくが、その時アパートの外で騒ぎが・・・
騒ぎは宇相吹の仕業でその騒動の最中、伊達の部屋に侵入してきた宇相吹。
伊達を助けるようとする多田だが、後ろから頭を警棒で殴られてしまい、殴ったのは田ノ上・・・
田ノ上は、以前江戸川署に勤務していた時に仕事のストレスで借金がかさみ、事件の証拠品の中から金品を盗んでいて、そこを伊達に目撃されていた。
その不正を告発する前に伊達は女子大生の事件で逮捕され、精神もおかしくなり助かったと思っていた田ノ上だが多田のせいで目を覚まそうとしていた伊達に恐怖を感じていた。
そして、田ノ上は宇相吹に「依頼通り伊達を!!」と言っている時、伊達を多田だと思い込んで殴っていた事に気付く・・・
もちろん多田は無傷。
田ノ上が警棒で殴り殺した伊達を見て宇相吹は「『通じない力』は案外不安定な様でしてね。 今もまだ伊達さんに力が残っているかは僕にはわからない。 しかしどの道とっくに終わった人だからただの塵だ。」と言い放つ。
その言葉に怒り、宇相吹を殴り掛かろうとすると多田。
そんな多田の頬を両手で掴み「多田刑事・・・仮に貴方が標的になり依頼されても僕は絶対しませんよ・・・僕にはもう・・・貴方だけです。」と言う宇相吹に「僕は貴方だけを見つめる覚悟を決めました・・・だから貴方もそろそろ見せて下さい覚悟を・・・!」と言い返す。
捜査本部が現場に到着―――
多田は諏訪部に「まさか裏でアンタが関わってるんじゃないだろうな?」とつっかかるも周りに止められる。
諏訪部は「田ノ上が宇相吹に操られるとはな、やはりいくら馬鹿を利用した所で宇相吹は尻尾を出さない。 進むか、もう一歩先へ・・・」呟く。
百々瀬も現場駆けつけ、「正義の為ですか? 正義の為なら何をやっても許される? それじゃあ先輩も諏訪部さんと同じじゃないですか・・・」と、結夏に力を借りた事を問い詰める。
多田は亡くなる前の伊達が言い残していた言葉を思い出す―――
「宇相吹に勝ちたいのなら・・・覚悟を・・・決めろ! 正義の為に悪になる覚悟を・・・!!」
《もっと諏訪部の様になれと? それがオレの進む道ってことなのか・・・?》と立ち尽くす多田。
「愚かだね・・・人間は。」呟く宇相吹だった。
7巻45話「見て見ぬフリ」
昔から見て見ぬフリができなかった男・“森尾”、40歳を超えてもその性格は変わらなかった。
自分の経営している飲食店で働かせて欲しいという女・“真奈”は全身怪我だらけで面接に来ていた。
元彼から暴力を受けお金もなく働きたいが、住む所も身分証もないと話す真奈をお人好しの森尾は採用をする。
困っている真奈を見て見ぬフリをすることはできなかった。
1年が経ち―――
真奈の体の傷は癒えても心の傷は簡単には癒えなかった・・・
お客さんの中に元彼の影を感じて怯えたり、店の事務室に2人で入るのを嫌がった。
そんな真奈の元彼への恐怖から解放させてあげたて森尾は、宇相吹に『顔も名前も知らない真奈さんの元彼氏』を標的にして依頼をする。
森尾も本気で真奈の事を愛してしまっていた。
それから数日後―――
真奈は2人っきりで森尾の誕生日を一緒にお祝いをしたいと誘う。
森尾の家で先に料理作って待っている真奈。
大喜びしている森尾だが、心残りが1つ・・・
宇相吹へ真奈の苦痛の元凶の元彼を始末してくれと伝える。
宇相吹は標的は見つけているが今回の依頼は場合によっては長引く可能性があると言う・・・
そして「僕が真奈さんでもこの事務室で貴方と2人きりにはなりたくないですよ・・・」と意味深な言葉を残し去って行く。
何を言っているか分からない森尾だが、ふと事務室の壁を見ると何やら貼ってあった痕跡のあるポスターがなくなっている事に気付く。
森尾が家に着くと玄関に宛先もない書類のようなものが届いており、中を見ると《こ・・・これは・・・》と戸惑う。
そこへ、真奈が料理もうすぐできると声をかけるが森尾は「すぐ戻るから!」と家を飛び出していってしまう。
《違う!違う!! 真奈さんは違う!! 僕は絶対に認めない!!》
戸惑う森尾の前に宇相吹が現れ「すみませんね、先程無断でお店の事務室のポスター拝借したのでお詫びに関連の新聞記事やら色々付けてお返ししておきました。」
「彼女の正体を見て見ぬフリしていた貴方と違って、僕は常に現実を見つめている」と言い捨てる。
そのポスターは『元ホステス 岸村多加子』の指名手配だった。
DVの交際相手をメッタ刺しし、真奈は指名手配されていた。
警察が手配書を配り始めたのは1ヶ月前、真奈を好きになっていた森尾は薄々似ていると思っていながらも認める事ができなかった。
『隔離の心理』
人は大切なものを守る為ならいくらでも自分の心に嘘をつける。
依頼内容は『元彼』が標的だったが、既に真奈に倒されていた為、成立しない。
つまり、森尾が真奈と別れて『元彼』になった瞬間標的になってしまう。
道は2つ・・・
真奈に自首を促す。
しかし、世間は真奈を許さずそんな真奈と一生添い遂げていくこと、それは決して救いのない生き地獄。
もう1つは彼女に何も告げず全ての現実を今まで通り見て見ぬフリをして生きていくか。
森尾はどちらも選べずに真奈と心中した。
「まぁどちらかを選べる程強い人間では無かったか・・・愚かだね・・・人間は。」
7巻46話「少女の夢」
プロを目指し大学の仲間で組んだバンドに全てを捧げてきた“マドカ”。
4人組の女子バンドだが、レコード会社の“周防”はマドカだけに話があると・・・
話の内容はマドカのみでのソロデビューの話だった。
今まで4人組でやってきて“レイラ”・“カナ”・“ハルコ”を裏切って自分だけで・・・と悩んでいた。
周防は「皆を説得する方法は俺が考えておくから、まだみんなには内緒にね。」と言い、マドカはみんなに言えない事に悩み続けていた。
新曲の練習でいつもの公園に4人でいる時、宇相吹が突然現れた・・・
そして「僕の差し入れ飲んでくれたんですね。」とジュースを指差し、赤い眼で見つめながら「吐き気しませんでした?」と聞く。
すると、マドカ以外の3人が突然吐き気に襲われる・・・
スタッフがかけつけ、ジュースに毒を盛られたと伝えるも信じてもらえず、マドカは「皆回復してるし気のせいだと思います。」と、その場を凌いだ。
そんなマドカの行動に3人は不信感を抱いてしまう・・・
マドカは自分以外の3人が狙われた事で、周防の仕業かと胸騒ぎを感じていた。
数日後―――
公園で新曲の練習中、浮かない表情のマドカ。
隠すわけにはいかないとソロデビューの話をみんなに打ち明けようとした時・・・
宇相吹が現れ「依頼を受けてここへ来た」と言う。
「まさか周防さんなの?」とマドカは3人に向かってくる宇相吹に「やめてー! 4人で音楽をやりたいからそのために私は自分の全てを捧げてきたんだから!!」と叫ぶ。
宇相吹が音声レコーダーを取り出し「これは昨日、マドカが電車から降りた後の3人の会話です。」と流し始める―――
会話内容は
「ウチらが苦しんでるのに揉み消しに走りやがって。」
「てか、アイツ自分が可愛いからって調子こきやがって! アタシらが必死で音作ってる時にヘラヘラして遊んでるくせにな、アイツだけいつも楽しておいしい思いしやがって!」と、マドカをボロクソに言っている内容だった。
「私が楽してる・・・? ふざけんな!! 私が1人で頑張ってるおかげでこのバンドはやっていけてるのよ!!」キレるマドカは、その場から離れ「周防さんの依頼通り3人をやれば?」と宇相吹に言い捨てる。
しかし、宇相吹は「猫にご飯を上げるのを忘れてた」帰ってしまい、残ったレイラとカナはマドカに見殺しにされると怒りでマドカをボコボコにする。
マドカは当たりどころが悪く亡くなってしまう・・・
ハルコが警察に連絡し、レイラとカナは心神喪失状態で逮捕される。
瞬く間にニュースになり「ハルコは何気にかわいくね?」と注目を浴びる事に。
「貴女の望む通りになりましたね・・・ハルコさん」宇相吹が言うと「レイラとカナのバカ2人にマドカをやらせる作戦完璧でした宇相吹さん!」と大喜び。
ハルコは周防とマドカのソロデビューの話を影で聞いていて、バンドが成り立っているのはギターと全ての曲を作っているアタシがいるからだと怒りに震え、宇相吹に依頼をしていたのだった。
周防との打合せで《これで私もメジャーに!》と喜ぶハルコだったが「これからはマドカがいつもしてた事を君も頼むよ。 マドカには他のメンバーには絶対に手を出さないでくれと頼まれてたんだがね。」と脱ぎ始める周防・・・
その時、ハルコはマドカが泣きながら「私が1人で頑張ってるおかげでこのバンドはやっていけてるのよ!!」と言っていた言葉の意味をここで始めて知るのだった・・・
7巻47話「光と闇の中で〈前編〉」
夜目結夏は、日本に戻ってきて何ヶ月も経つのに、何一つ掴めてない事に焦りを募らせる・・・
宇相吹を倒す糸口がなにも見つかってなくこの先どうすると真剣に考えていた。
結夏の望みは妹を倒した宇相吹が絶命する瞬間をこの目で見届けること・・・
結夏の事を想う“瀧先生”は、結夏が本当に壊れてしまう前に元に戻してやりたいと思っていた。
数日後―――
瀧は、宇相吹に会っていた。
瀧は仕事上、宇相吹の事に興味もあるし知りたいことも山ほどあるから話でもしようと提案するが、宇相吹は依頼以外で他人と深いコミュニケーションを取ることはないとその場を離れようとする。
すると瀧は「ナルホド、では君に仕事を依頼しよう。 『夜目君に倒されないでくれ』」くだらない復讐で彼女の人生を終わらせるわけにいかないんだと宇相吹に願いでる。
そんな瀧に宇相吹は「彼女に見せてあげればどうです? 暗くなるまで僕と遊び過ぎておうちへ帰れなくなってしまった人間の哀れな姿を・・・」と伝えた。
そして、瀧は結夏に見せたいものがあると病院に連れて行き、警察が警備している病室に入ると「オレの名前は・・・ 宇相吹 正・・・依頼は電話ボックスに・・・」などとブツブツ喋っている男が・・・
その男は“保坂 篤史”、宇相吹のアパートへの放火と多田への傷害の容疑者だった。
警察は保坂の回復を待って逮捕状を請求する予定だが外傷よりも深刻な精神状態で「オレは保坂じゃねぇ!! 宇相吹だっつってんだろ!! ニセモンはオレがぶっ殺してやる!!」と叫んでいた。
瀧は、結夏に宇相吹の闇に呑まれた人間の末路だと説明し「君は絶対こうなってはいけない。 これ以上、宇相吹に関わってはいけないんだ。」と忠告する。
しかし、結夏は保坂のカウンセリングをやらせてほしいと頼み出る。
「宇相吹の闇の正体を知りたい。 私が宇相吹の呪縛から抜ける為にもやらせてほしい。」と頼み込む。
瀧は、結夏を信じてカウンセリングを任すことに・・・
それから結夏は、保坂のカウンセリングをしに病院に通い続けた。
あれだけ暴れてた保坂ぎ穏やかになり、結夏も最近すごく明るくなってきたと話題になる。
瀧が事務所に戻ると『ハッピーバースデー』と書かれたメッセージカードと一緒にプレゼントが置かれていた。
瀧はようやく昔みたいに、毎年誕生日プレゼントをくれてた明るい結夏が戻ってきたんだと喜んだ。
「だいぶ落ち着いてきた保坂に外の空気を吸わすのは回復の為にも有効だと思う。」と医者・警察に保坂を散歩に連れて行きたいと頼む結夏。
許可がもらえ保坂と2人になると、結夏はまた冷酷な表情になる・・・
結夏は、最初から保坂の心を治す気などさらさらなく、保坂の姿を初めてみた時《この男は最高の武器になる》と喜んでいた。
瀧は保坂を通じて闇を見せようとしたが、結夏には希望の光に見えてしまっていた。
もうこれ以上、多田の心変わりを待てないと宇相吹を倒すため、電話ボックスの依頼で誘い出す結夏。
《見ていて 美冬・・・私の復讐を》
7巻48話「光と闇の中で〈後編〉」
宇相吹は依頼を受けた指定の場所に着く―――
「これは意外な依頼人だ・・・ 夜目結夏さん。 そこにいる車椅子の方は保坂さんですか? 何だかちょっと雰囲気変わりました? クク・・・」笑う宇相吹。
結夏は宇相吹を倒す為にここへ呼びだし、保坂はその為の武器だと言い放つ。
火災で失明している保坂に宇相吹の赤い眼は通じないが、操作は目からだけでなく耳からだって入ってくることを宇相吹が指摘すると、結夏が『ハンドベル』を取り出す。
催眠による五感の操作『感覚支配』
保坂は火災事件以来激しい耳鳴りも起きるようになっており、結夏は耳鳴りがする度に一時的に聴覚を失わせる催眠治療を施していた。
その催眠の合図が耳鳴りと同じ音階のハンドベルだった。
視覚だけでなく聴覚も封じる状態が作れる事に驚く宇相吹。
しかし、目と耳を失って保坂がどうやって狙いを定めるのかと質問すると
『選択的注意』
視覚と聴覚がなくなれば残された感覚は更に鋭敏になると、以前宇相吹の部屋に侵入した時に撮った写真の中から同じ香水を取り出し、その香水で保坂はすぐに宇相吹の匂いとわかった。
「やはり貴女は優秀だ。 僕も本気で命を守らなくてはいけないな。」と、宇相吹は携帯を取り出し「現在、14時28分 。 あと2分以内に僕が電話を掛けないと瀧先生が亡くなる。」と伝える。
「なんで? 瀧先生に何をしたの?」激しく動揺する結夏。
先日、瀧から『夜目結夏に倒されないでくれ』という妙な依頼を受け、警戒した宇相吹は瀧に人質になってもらったことを説明する。
結夏が保坂を連れてこの場から去れば瀧先生の命を助ける・・・
「瀧先生を助けるか、僕に復讐するか・・・決めるのは貴女だ!」究極の選択を突きつける宇相吹。
結夏は瀧先生との会話を思い出し、「ごめんなさい・・・瀧先生・・・!!」とハンドベルを鳴らすと、保坂の鼻に宇相吹の香水が強く匂ってきて「ニセモノの匂いを見つけたぞ!!」と走りだす。
「え? 待って・・・ 保坂さ―――」止める結夏だが、保坂は刺した感覚で偽物をぶっ倒したと喜び「これでオレが本物の宇相吹正だぁ!」と叫ぶが・・・
保坂が刺したのは突然現れた瀧先生だった・・・
「14時30分ピッタリのご到着。 瀧先生ほんとうに几帳面な方ですねぇ~」と、宇相吹の予定通りなのだった。
階段から落ちた瀧先生の元へ駆け寄る結夏。
瀧の手には『ハッピーバースデー』と書かれたメッセージカードの裏に『先生にサプライズを用意したので14時30分に病院の屋上のドアを開けてください。』と書かれていた。
「貴女が瀧先生の誕生日を忘れていたから代わりにプレゼントしてあげたんですよ、僕と同じ香水を。」と言う宇相吹。
宇相吹は猫と遊んでから来たため香水はつけていなかった。
結夏は自分の計画を最初から先読みされていたことにここで気付く・・・
保坂を武器に使おうとしたことも、宇相吹の香水にたどりついたことも全て宇相吹の掌の中だった。
「貴女の役割は、多田刑事をその気にさせることそれだけだとね・・・」と、結夏に分からせる為に付き合ってあげていたのだ。
結夏は瀧先生の「信じているよ」の言葉を思い出し涙で立てない・・・
岐阜県警察本部―――
出張中の多田へ電話が鳴る。
話を聞いた多田は携帯を落とし茫然とする・・・
「堕ちていく・・・みんな・・・闇へ・・・」
結夏は自ら命を絶った。
手元には『友樹君へ』と書かれた手紙が・・・
とても面白いのでぜひご自身の目で確かめてみてください!
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