こんにちは!
松浦だるま先生の作品『累(12巻)』を読みました。
以下ネタバレが含まれますので
先に無料の試し読みをオススメします。
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目次
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母親“いざな”の過去を探りその終着地として『朱磐 (あけいわ)』に辿り着いた“淵 累 (ふち かさね)”。
久しぶりに再会した累は、まるで火が消えたように変わっていました。
4ヶ月も“羽生田 釿互 (はぶた きんご)”の前から姿を消していたのは、羽生田に頼らず1人で母について調べたかったからだった。
そんな累に「しかし朱磐は俺がいなけりゃ何もないただ錆びれた荒れ野にしか見えんだろうよ。と、羽生田はいざなの出生について順に話し始める。
かつてここには『槻 (かづら)』という一族の屋敷があり、そこでいざなは生まれた。
生まれ落ちてすぐ、醜い容姿ゆえに死を望まれてしまう・・・
それは、この村の時代錯誤な因習のせいだった。
その子を“平坂 千草 (ひらさか ちぐさ)”という助産婦が助け密かに育てていたのだが、年頃になっても山奥の小屋に隠れて暮らしていたため、およそ人間らしい生活とはいえなかった。
生きることを否定されながら生きているという事実と、抗いようもない己の醜さとを突きつけられながら、少女は熟々と身の内に憎しみをたぎらせ切っ先を研いでゆく。
羽生田がこの村に来て初めて会った時も、いざなはこの世の全てを憎み拒み呪う、そんな眼差しを闇から向けていた・・・
『累(12巻)』のネタバレと感想
そんなある日、いざなは隠れ住んでいた山で見つけた、自らの運命を塗り変えた魔性の『朱』。
口づけで人の顔を奪う『日紅』という鉱物顔料。
いざなはこの地の『伝説』を伝える神楽の中に、日紅に繋がるヒントに気づき見つけることができたのだった。
その伝説とは『この地に災いをもたらした醜い鬼女が美しい巫女によって滅ぼされる』というもので、その中で鬼女は朱い粉を唇に塗り、巫女にくちづけて魂を奪おうとする描写があった。
つまり、いざなは『伝説』の伝承を『現実』にしてみせたのだった。
羽生田の上演したい舞台はその光景の再現であった。
「再び口紅を使いお前に主演をつとめて欲しい。 それが俺の願いであり、お前が照明の元に戻ることが、いざなさんの願いでもあるはずだ」と伝える羽生田に、「私は母ではない。 けど血が彼女の想いを才を芸を私の身に伝えた。 あなたの舞台に出るわ・・・」と、累の火は消えていなっかった。
しかし、その時の累はどことなく朱磐から姿を消す直前のいざなに似ているような気がした・・・
累が咲朱として舞台に戻るため、“野菊 (のぎく)”を探し出すことにる―――
その頃、野菊は“天ヶ崎 祐賭 (あまがさき ゆうと)”に別れを告げていた。
「あなたはこれ以上私に関わると今に羽生田に嗅ぎつけられて命さえ危ないわ。 私はそれだけが怖いの・・・」
野菊にとって天ヶ崎はかけがえのない大事な人になっていた。
別れを告げ天ヶ崎の家を出た後、野菊は覚悟を決め累を誘い出す。
累は羽生田にバレないように欺き、1人で野菊と“五十嵐 幾 (いがらし いく)”に会いに行こうとするが、羽生田に尾けられてバレてしまう。
「俺を出し抜こうとしやがったな! 一体お前は何を考えているんだ!?」つめ寄る羽生田に累は秘密にしてことを打ち明ける。
「私はあなたの舞台に出る、野菊の顔でね。 けどそれで最後にする。 口紅を使うのも舞台に立つのも・・・」
「そんなの信じられるはずがない」と、言う野菊に累は口紅を渡し「これなら信じてもらえる? 『交換』の主導権をあなたに譲るわ」累は野菊、五十嵐、羽生田の前で約束を交わす。
舞台は好調な滑り出しとはいえず、咲朱も五十嵐も役をうまく演じられずにいた・・・
そんな中、累のことを怪しんでいる野菊は1人で羽生田の元へ行き「確かめたいの。 かさねが何を考えているのか。 何か企んでいる気がして・・・」と伝えると、そう思っていたのは羽生田も同じであった。
累が『永久交換』の方法を企んでいると推測し調べるが過去、おそらくその方法に辿り着いた“海堂凪”の研究論文を読むが、朱磐に来る前の考察文ばかりで何も役に立たなかった・・・
野菊は海堂凪の字を見て、父の部屋で見つけた本を取り出す。
それは、凪さんの手帳だった―――
細かい内容はぜひご自身の目で
確かめてみてください!
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まとめ
12巻では、いざなの壮絶な生い立ちが明らかになり、これまでぼやっとしていた登場人物の思惑が明確に表現され『最後の舞台』とともに物語のラストスパートに突入している感が伝わります。
それぞれの登場人物がどう演じていくのか、これが永久交換の第一歩になるのか?
野菊に預けた口紅も今後どうなっていくのかが非常に気になります。
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